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ソフトバンクなど通信大手が連携、5G普及へAR活用

(更新)
世界の通信大手が「ポケモンGO」などで実績を積んだ米ナイアンティックと協力する。

【シリコンバレー=奥平和行】ソフトバンクなどアジアや欧米の通信大手が次世代通信規格「5G」を活用したAR(拡張現実)を巡り連携する。人気ゲーム「ポケモンGO」を手がける米ナイアンティックが設立した団体に加わり、技術や販売で協力する。低遅延など5Gの特徴を生かしたARで使い道を広げ、新たな通信規格の普及を加速させる。

ナイアンティックが「プラネットスケールARアライアンス」を設立し、米ベライゾン・コミュニケーションズや独ドイツテレコム、英EE、仏オレンジ、韓国SKテレコムなど計8社が加わった。ナイアンティックが1日に発表した。

ARにより、現実の景色にコンピューターで作成した画像などの情報を重ね合わせることができる。ポケモンGOは代表的な活用例で、スマートフォンのアプリは世界で10億回以上ダウンロードされた。通信の遅延が少なく、高速でのデータのやりとりや、多人数による同時利用が可能な5Gを使うことで、より現実に近い画像など、景色の融合が実現するとみられている。

参加する通信各社は高度なARに対応したゲームなどを配信しやすい通信網を整備し、その知見を共有することを目指す。日本経済新聞の取材に応じたナイアンティックのジョン・ハンケ最高経営責任者(CEO)は「通信会社が共通の基本設計を見つけて共有することでソフトが開発しやすくなり、各地で5Gの能力をフル活用できるようになる」と説明した。

ナイアンティックはARを活用した5G対応の新たなゲームなども開発し、アライアンスに参画する通信会社に独占的に提供する。各社は低遅延や大容量といった特徴を体感できるゲームなどを店頭で消費者に使ってもらい、5Gの理解向上や普及につなげる。最初のゲームの提供を年内にも始める。

ナイアンティックは2015年に米グーグルから分離独立し、ポケモンGOや人気映画「ハリー・ポッター」を題材にしたゲームなどを手がけてきた。ゲームを自社開発する一方、外部企業にARを活用したソフトの開発に不可欠な地図作製や画像認識といった技術基盤を提供する取り組みも進めている。

5Gの普及で多くのプレーヤーが同じ空間で同時に遊ぶといった使い方が可能になるが、処理能力を高めるには利用者の近くに小型のコンピューターを多数配置する「エッジコンピューティング」などの技術が必要になる。各地の有力な通信会社が連携することで、こうした取り組みを円滑に進め、対応ソフトを増やす効果を見込んでいる。

世界各地の通信会社は5Gの普及に向けた設備投資を積み増しているが、消費者に対応スマホへの買い替えを促す有力な用途を明確に示せていない。高精細な動画の視聴や、遅れが少ないことを生かしたゲームの配信などが候補に挙がり、ARも有望分野のひとつとみられている。各社は用途開拓に向け、ゲームやARなどの関連企業との連携を強化する必要に迫られている。

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5Gとは
現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。

1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。

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