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休日の部活動、地域に移管 教員の長時間労働是正

文部科学省は1日、学校における働き方改革推進本部(本部長・萩生田光一文科相)の会合で、教員の長時間労働を是正する一環として、これまで学校の管理下にあった休日の部活動に関する業務を地域に移す方針を示した。2023年度から段階的に実施する。

同本部は19年、中央教育審議会の答申を受けて設置。教員の残業時間の上限を原則「月45時間以内」とする文科省指針に実効性をもたせるため、23年までの5年間の工程表に基づき、授業や部活動、教員免許制度などの見直しを進めている。

同省が1日に示した改革案は、部活動について「必ずしも教員が担う必要のない業務」と位置づけた。休日については「教員は教科指導を行わないことと同様に、部活動の指導に携わる必要がない」と指摘。23年度以降は「地域部活動」として地域人材が担う仕組みに順次移行する。

教員に代わって生徒の指導や大会の引率にあたれる人材確保に向け、自治体に対して「人材バンク」や育成制度の整備、民間との連携などに取り組むよう促す。仮に教員が参加を希望する場合は、学校職員としてではなく「兼業」の許可を得た上で地域部活動の運営主体のもとで従事する。

さらに運動系の大会や文化系コンクールについては、大多数の学校が関係する地方大会の在り方を整理する必要があるとした。教員や生徒の過度な負担にならないよう参加する大会を絞り込むことを求めた。

文科省は20年度中に兼業の考え方や労働時間の管理、賃金などの具体策の方向性を示し、21年度以降に各教育委員会が準備を進める。23年度には各都道府県に拠点校を設け、実践・研究を進めた上ですべての公立中学校で地域部活動に移行する。同省担当者は「高校でも同様の取り組みを促す」としている。

改革案に対し、東京都内のある自治体の担当者は「学校の負担軽減に地域の協力は不可欠だが、運営主体や人材の確保がどこまでできるかは見通せない」と指摘。「学校内の活動ではなくなると、別に安全管理マニュアルなどの策定も必要となる。国からもある程度支援してもらわなければならない」と語った。

改革案では地域部活動の実施にあたり「保険の加入が望ましい」とも盛り込んだ。保護者や運営主体側に新たなコストが生まれることを念頭に「国による支援方策についても検討する」とした。

教員の働き方改革を巡っては、21年度からは労働時間を年単位で調整する「変形労働時間制」を各自治体の判断で取り入れられるようにした。同制度では繁忙期の勤務時間の上限を引き上げる代わりに、夏休み期間中などに休日をまとめて取得できる。授業準備の負担を減らす「教科担任制」の一部導入や教員免許の更新制度のあり方についても検討が続いている。

ただ、新型コロナウイルス感染拡大により、教育現場からは「変形労働制を使えない」「補習などで長時間労働を避けられない」との声が上がっている。NPO法人「共育の杜(もり)」が7月、東京や大阪など大都市圏の教職員約1200人を対象に実施した調査では、持ち帰り業務も含めて「過労死ライン」に相当する月80時間超の時間外勤務をしたとの回答が56%に上った。

文科省は1日の会合で、教員や学習指導員ら計8万5千人分の加配に必要な費用を盛り込んだ20年度第2次補正予算について、8割にあたる約6万7千人分の申請があったと明らかにした。都道府県や政令市に対し2次募集をしているという。

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