パソナ、本部機能の淡路島移転を正式発表
9月から1200人が順次異動

パソナグループは1日、9月から段階的に、東京にある本社の主要機能を兵庫県の淡路島に移すことを正式発表した。対象となる経営企画や人事、広報部門などの約1800人のうち、1200人が2024年5月末にかけて移る。新型コロナウイルスの感染拡大を機に働き方やオフィス機能の見直しが広がっており、事業継続計画(BCP)の観点でも地方に主要機能を分散させる。
パソナは淡路島に企業の間接業務を請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)や、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める施設を複数設ける。顧客を訪問する営業は引き続き全国に置くものの、電話などによる営業部門やデジタルマーケティングは移す。
淡路島を巡っては、パソナは08年から農業支援や教育事業などを順次行い、過疎化する地域の活性化に取り組んできた。新型コロナ後はリゾート地で休暇を取りながら働く「ワーケーション」を提案しており、IT(情報技術)を使った新たな働き方を率先して始めることに決めた。
パソナは次世代移動サービス「MaaS(マース)」事業も淡路島で加速させる。トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社が立ち上げたマースを開発する企業連合に参画し、島内でトヨタ車を使って実証実験を進めている。車社会の現地で将来は自動運転のバスを走らせる構想もある。