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中国、欧州つなぎ留め懸命 外交2トップ異例の連続訪問

【北京=羽田野主】中国が欧州に外交攻勢をかけている。王毅(ワン・イー)外相が1日まで仏独など5カ国を公式訪問したのに続き、外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)氏も訪れる。外交2トップが同じ地域を連続で訪問するのは異例。米国との関係が険悪になる中で欧州のつなぎ留めに懸命だが、香港問題などで溝もあらわになった。

中国の王毅外相は欧州5カ国を歴訪し、ノルウェーのスールアイデ外相らと会談した=ロイター・NTBScanpix

王氏は8月25日からイタリア、オランダ、ノルウェー、フランス、ドイツの順に訪れた。共産党政治局員で王氏より格上の楊氏は1日にミャンマーに立ち寄り、4日までスペインとギリシャを訪れる。王氏と楊氏は訪問地域が重ならないように外遊日程を組むのがふつうで連続訪問は珍しい。

中国の王毅外相(左)は欧州5カ国を歴訪し、ドイツのマース外相らと会談した=ロイター

中国の念頭にあるのは米国だ。「中国と欧州は協力パートナーであり、競争相手ではない」。王氏は8月28日、マクロン仏大統領との会談で訴えた。中国を「戦略的競合国」と位置づける米国を意識した発言とみられる。

ポンペオ米国務長官が8月、中国と歴史的に関係の深い東欧諸国を歴訪し、華為技術(ファーウェイ)製品の排除などを呼びかけたのに対抗する思惑もある。楊氏は8月には韓国を訪れ、習近平(シー・ジンピン)国家主席の早期訪韓を取りつけた。アジアに続いて欧州に攻勢をかける。

もっとも、欧州を中国側に引き寄せられたかどうかは微妙だ。香港国家安全維持法の施行や新疆ウイグル自治区の「再教育施設」など欧州が重視する人権問題が壁になったからだ。

フランス大統領府はマクロン氏が会談で「香港と新疆を巡る人権問題で深い懸念を表明する」と発言した、と明かした。香港紙によると、オランダのブロック外相も香港国家安全維持法施行や9月に予定していた立法会(議会)選挙の延期に懸念を示した。

ファーウェイ製品についても、マクロン氏は記者団に「排除することはしないが、欧州の主権を重視する」と述べた。欧州メーカーを中心に高速通信規格「5G」の通信網を構築する考えを示したものだ。

中国も香港や新疆ウイグル問題では一歩も譲らない。王氏は「中国内部のことで外国には干渉する権利はない」と繰り返したほか、ノルウェーでは香港民主派がノーベル平和賞を受賞した場合の対応を聞かれて「平和賞の政治化を見たくない」と述べた。

ノルウェーのノーベル賞委員会が2010年、中国の獄中の民主派作家、劉暁波氏(17年死去)に平和賞を授与し、両国関係が悪化したことを意識した発言だ。「中国が警告した」と受け止められており、ノルウェーの反発を招きかねない。

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