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米男子ゴルフ、進む世代交代 ビッグネーム振るわず
ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

2020/9/2 3:00
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ミケルソンはプレーオフ制度が始まってから初めて2戦目への出場を逃した=AP

ミケルソンはプレーオフ制度が始まってから初めて2戦目への出場を逃した=AP

遠い将来、米男子ゴルフのツアー記録を調べていて、多くは2019~20年シーズンのところで手を止めるはずだ。なぜこのシーズンは、四大大会のうちマスターズ・トーナメント、全米オープン、全英オープンが行われず、20~21年シーズンにマスターズ・トーナメントと全米オープンがそれぞれ2度も行われているのかと。

さらに、米イリノイ州オリンピアフィールズで行われたプレーオフ2戦目のBMW選手権になぜ当時のトッププロが参加しなかったのか、不思議に思うのではないか。

後者に関しては、それを目の当たりにしている我々でさえ、答え探しに苦労する。参加しなかったのではなく、できなかったのだから。

3月半ばから6月上旬まで試合が行われなかったので、その変則日程が一因ではと推測できるが、不振のビッグネームは、一人や二人ではない。例えば17年のマスターズ・トーナメントを制したセルヒオ・ガルシア(スペイン)は、フェデックスカップ・ポイント上位125選手に出場権があるプレーオフ初戦(ノーザントラスト)への参加資格さえ得られなかった。

また、その初戦には出場したものの、フィル・ミケルソン、ブルックス・ケプカ、リッキー・ファウラー、ジョーダン・スピース、ザック・ジョンソン、ブラント・スネデカー(いずれも米国)、ジャスティン・ローズ、イアン・ポールター、トミー・フリートウッド(いずれも英国)ら実績のある選手らも、フェデックス・ポイント上位70位までが出場できるBMW選手権に駒を進めることができなかった。

生涯グランドスラムに王手をかけているスピースは世界ランクが69位まで後退した=USA TODAY

生涯グランドスラムに王手をかけているスピースは世界ランクが69位まで後退した=USA TODAY

ミケルソンは、07年に現行のプレーオフ制度が始まってから2戦目に出場できなかったのは初めて。ケプカは世界ランキング1位で新年を迎え、現在も同ランク7位だが、今季は0勝。ケガもあったが、トップ10は2回で、予選落ちと途中棄権が合わせて6回と振るわなかった。

18年のフェデックスカップを制し、年間チャンピオンとなったローズは、今季の米ツアー再開初戦で3位タイとなり、全米プロ選手権で9位に入るなどしたが、6月下旬以降、6大会のうち4大会で予選落ちするなど「らしさ」を欠き、10年続いたBMW選手権出場が途絶えている。

15年にマスターズ・トーナメントと全米オープンで連勝し、17年に全英オープンに勝って生涯グランドスラムに王手をかけたスピースは、現在、世界ランクが69位まで下がった。シーズンが再開してから、積極的に出場してフェデックス・ポイントを稼ごうとしたものの、再開初戦で10位タイに入ったのがベストという状況で、フェデックス・ポイント上位30人に出場資格があるツアー選手権出場を3年連続で逃すことになった。

ファウラーは今年に入って連続でトップ10に入ったものの、その後は予選落ちが6回もあり、12位タイがベスト。世界ランキングも38位まで下がり、最近はすっかり影が薄い。

他の選手の状況も同様に書き連ねることはできるが、単純に彼らが不調だから、ということで片付けることもできない。改めて米ツアーを俯瞰(ふかん)すると、27歳のスピースや31歳のファウラーより若い世代が、頭角を現しているのである。

BMW選手権の第3ラウンドでウッズ(右)と並んでコースを歩くモリカワ=AP

BMW選手権の第3ラウンドでウッズ(右)と並んでコースを歩くモリカワ=AP

先日の全米プロ選手権を制したコリン・モリカワ(米国)は23歳。彼は今季、すでに2勝を挙げ、世界ランクを5位まで上げた。3月にホンダ・クラシックで勝った任成宰(イム・ソンジェ、韓国)とプエルトリコ・オープンを制したビクトル・ホブラン(ノルウェー)はともに22歳。未勝利ながら24歳のスコッティ・シェフラー(米国)は今季、22大会で6回もトップ10に食い込んでいる。

21歳のマシュー・ウルフ(米国)もロケットモーゲージ・クラシックで2位、全米プロ選手権で4位タイに入った。彼らの勢いはもはや偶然ではない。新しい時代の波が訪れているのである。

もっともそれが、プロゴルフ界の現実。ここには安定的な年俸や地位が約束される5年契約や7年契約は存在しない。選手らは個人事業主であり、ケガをすれば、その間の収入は断たれる。毎年、結果を残し続け、それができなければ、稼ぎは下がる一方。スポンサーは常に、消費者にアピールできる新しい顔を探している。

自由度は高い。自分で出場したい大会を選び、休みたいときに休める。しかし、限られた機会で結果を残せなければ、今のポジションをキープすることは容易ではない。

タイガー・ウッズ(米国)もBMW選手権で51位タイに終わるとツアー選手権出場を逃し、ジェイソン・デイとアダム・スコット(ともにオーストラリア)もBMW選手権で、短い今季が幕を閉じた。

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