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厳しい雇用情勢 一段の悪化に警戒感

秋以降の雇用情勢を警戒する声が強まっている

新型コロナウイルス感染症の影響で雇用は厳しい状態が続いている。総務省が1日発表した7月の労働力調査では、完全失業率(季節調整済み)が2.9%と前月から0.1ポイント上昇した。7月以降の感染再拡大で店舗の閉鎖や事業撤退が増えてきた。経済活動の再開ペースは当初の想定より遅く、「雇用の悪化はこれから」との見方が多い。

7月は就業者が前月比で11万人、完全失業者が2万人それぞれ増えた。失業者の内訳をみると、非自発的な離職(リストラ)が4万人減る一方、新たに求職する人は2万人増えた。経済活動の再開に伴って、職探しを始める人が増えた。

失業率は5月の水準に戻ったが、急激な悪化とはなっていない。7月の休業者数は220万人で、前月の236万人から減少した。緊急事態宣言下の4月には597万人まで増加していた。コロナの感染拡大前の2019年は100万~200万人で推移しており、総務省は「従来の水準に近づいてきている」と見ている。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏は「雇用情勢の悪化は止まったように見えるが、決して反転したわけではない」との見方だ。7月以降の感染再拡大で、個人消費を中心に経済活動は停滞しており、「秋から年末にかけて雇用にその影響が跳ね返ってくる」(小林氏)。

足元では小売店の閉鎖のニュースが目立つ。大手百貨店のそごう・西武は8月31日に徳島市など4店舗を閉店。アパレル大手のワールドは8月に入り、複数ブランドの廃止・店舗閉鎖などのリストラ策を発表した。訪日外国人客需要を失ったドラッグストアや、外出自粛が直撃した飲食店などの閉店も相次ぐ。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「企業収益の悪化や景気の先行き不透明感の高まりを受けて、企業が新規雇用を抑制する姿勢は一段と高まる」と予想する。財務省が1日発表した4~6月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の売上高は前年同期から17.7%減った。

労働市場は雇用調整助成金や積極的な資金繰り支援など、政府の雇用対策で支えられている面が大きい。SMBC日興証券の丸山義正氏は「今後の経済活動の持ち直しペースや倒産状況次第で、実質的な雇用悪化が大きく進むリスクがある」と指摘する。

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