電力大手9社、停電時の問い合わせ対応を自動・共通化

沖縄電力を除く全国の送配電事業者9社は31日、災害時や電線の故障などの問い合わせに人工知能(AI)が対応するチャットボット(自動応答システム)を導入すると発表した。合わせて金沢市にコールセンターを設立し、AIが対応できない問い合わせに共通のオペレーターが対応する体制を整える。対応策を統一することで、効率的な停電復旧を図る。
東京電力パワーグリッドなど送配電各社は、停電に関するコールセンターを独自に運用している。チャットボットの導入状況にも各社でばらつきがあった。
今後は9社で共通のチャットボットが対応していく。共通のシステムを運用することで、災害時の応答率やAIの精度の向上につなげていく。
東電PG、北海道電力ネットワーク、中部電力パワーグリッド、関西電力送配電、九州電力送配電の5社で、先行導入する。他の4社については2021年度から導入する予定だ。
チャットボットで対応できない場合に備え、9月1日には金沢市内に停電専用のオペレーターを配置したコールセンター「金沢マゼルデジタルコンタクトセンター」も開設する。運営は電力9社から委託を受けたNTTデータ・スマートソーシング(東京・江東)が担う。大規模災害などの緊急時にはオペレーターが直接対応することで、短時間での停電復旧を目指す。