大阪府吹田市と豊中市、住民の再生エネ切り替え促す 協定結ぶ
大阪府の吹田市と豊中市は両市の住民や個人事業主に対し、太陽光発電など再生可能エネルギー比率の高い電気を供給する電力会社への切り替えを促す取り組みを共同で始める。多くの参加者を集めてスケールメリットを生み、割高になりがちな環境に配慮した電気を安価に購入できるようにする。

地球温暖化対策に関する連携協定を31日に結んだ。両市は10月から申し込みを受け付ける予定。住民らは専用サイトに名前や住所などを入力し参加登録。参加人数をもとに電力会社に対して入札し最安値を提示した会社を決定する。参加者に見積もりを示して切り替え手続きを進めてもらう。電力会社は電源構成における再エネ比率30%以上などが条件となる。電力会社は営業費などの削減が期待できる。
吹田市が1月に西日本で初めて実施したところ、約830人が申し込んだ。新電力事業者のミツウロコグリーンエネルギー(東京・中央)が関西電力の家庭向け「従量電灯A」に比べ年間3.7%程度安いプランを提示し、4月中旬までに約90人が切り替えた。両市で実施することで、さらに多くの参加を募る。
二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出源のうち、家庭部門は上位に位置している。吹田市と豊中市はすでに市有施設で再エネ比率の高い電力会社への切り替えを進めており、住民にも働きかけることにした。
協定締結は豊中市が呼びかけた。同市や吹田市、兵庫県西宮市、同尼崎市は同じ中核市同士で全国でも珍しく隣り合っているという地域性を生かし、都市間ネットワーク「NATS(ナッツ)」の形成を目指している。