REITにも優待の魅力 利回り7%超の銘柄も
コロナ禍で改悪リスク 業績吟味して購入を

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2020/9/2 2:00
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上場企業の株を一定数以上保有すると、その会社の商品や割引券などがもらえる株主優待。お得な気分を味わえることから、特定の株主優待を目当てに株を購入する個人投資家も多い。優待を受け取る権利が確定する月を9月にしている会社が多いため、毎年9月は優待のある株の売買が盛り上がる。

ところで、この優待。株だけでなく、不動産投資信託(REIT)やインフラファンドにもあることをご存じだろうか。REITとインフラファンドは、オフィスビルやマンションなどの不動産物件を取得し、賃料や不動産の売却益を得て、投資家に分配金を還元する金融商品だ。株と同様に証券取引所に上場し、時価で売買されている。

この商品の妙味は、株の配当に当たる分配金を定期的に受け取って、インカムゲインを享受できることだけにとどまらない。REITやインフラファンド自体の価格が上昇すれば、値上がり益でキャピタルゲインを得ることもできる。インカムゲインを重視する投資家に人気の投資商品だ。

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■著名投資ブロガーも優待REITを保有

優待を実施しているREITとインフラファンドは、8月末時点で11銘柄。不動産物件への投資で上げた利益の大半を投資家に分配しなければならないので、QUOカードのような金券系の優待を贈呈している銘柄はない。自社で保有するホテルの宿泊券や利用割引券、グループ会社の施設の利用券を提供しているケースが大半だ。

分配金を株価に相当する投資口価格で割って算出した分配金利回りは、タカラレーベン不動産投資法人(3492)の7.17%を筆頭に、11銘柄中8銘柄が4%を超えている。高い利回りに加え、優待でお得な気分まで味わえる。この点は、インカムゲイン狙いの投資家にとっては魅力だろう。

著名投資ブロガーのv-com2さん(ハンドルネーム)は、タカラレーベン不動産投資法人を保有している。「購入時点の分配金利回りは6%程度。そこに優待分の利回りが0.5%ほど加わり、これぐらいの利回りなら買ってもいいと判断した」と振り返る。

タカラレーベン不動産投資法人の優待は、2018年に上場した時からのスポンサー企業であるヤマダ電機(9831)の買い物優待券。10口以上保有している投資家に対して500円分を5枚、年2回にわたって贈呈している(年間計10枚、5000円分)。配当株投資を手掛ける投資ブロガーのwannyan07さん(ハンドルネーム)も、同銘柄を保有。ヤマダ電機の買い物優待券で家電製品などを購入しているという。

■優待の改悪・廃止リスクに要注意

タカラレーベン不動産投資法人を運用しているタカラPAG不動産投資顧問の財務企画部ヴァイスプレジデント、田中穂菜美さんは「投信を保有する個人投資家の裾野を広げるために優待を導入した」と説明する。

こうした"誘客"効果はかなり高いようだ。例えばいちごオフィスリート投資法人(8975)など、社名を冠した計3本のREIT・インフラファンドを運用している不動産会社のいちご(2337)。同社は、3本の優待でJリーグ観戦チケットを抽選で提供している。同社ブランドコミュニケーション部の木村真紀さんは、「チケットの抽選に応募するために当社の株主・投資主優待サイトに登録した方は、1万人を超えている」と話す。

こうしたREIT・インフラファンドの優待にも、優待株と同様に内容の改悪や廃止のリスクがある。この点には要注意だ。コロナ禍の影響で宿泊客や賃料が大きく減少しているホテルやオフィスに投資する銘柄を中心に、収益が悪化しているREITは多い。分配金の減額とともに優待の内容が見直される可能性も高い。分配金と優待を目当てにREITの購入を考えるなら、業績の動向などをチェックし、減配と優待改悪の可能性を吟味することが求められる。

(佐藤由紀子)

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著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/8/21)
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