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誉田哲也が新作長編 警察小説にオカルト的要素も

「これまでと違う色の小説が生まれた」と誉田は話す

誉田哲也は警察小説と青春小説の書き手とのイメージが強いだろう。「ストロベリーナイト」に始まる警部補・姫川玲子シリーズ、女性警察官2人が主人公の「ジウ」シリーズ、そして剣道に打ち込む女子高生を描いた「武士道」シリーズなどの人気作品を持ち、いずれも映像化されているためだ。もっとも、作家デビューは2002年のムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞した「妖の華」であり、翌年には「アクセス」でホラーサスペンス大賞特別賞に選ばれた。本人も「僕はホラー出身であり、ホラーを捨てたとは思われたくない」と話す。警察小説のように見える新作長編「もう、聞こえない」(幻冬舎)にも「オカルト的な要素を盛り込んだ」。

身元不明の男性が殺害され、加害女性の中西雪実が傷害致死容疑で逮捕される。取り調べがうまくいかないため、警視庁捜査1課の警部補・武脇元が派遣され、高井戸署の菊田梓とともに雪実を聴取する。すると彼女がつぶやく。「女の人の声が、聞こえてくることが、あるんです」。続いて場面は変わり、「ゆったん」と呼ばれる女性が自らの学生時代を振り返る。大学時代、親友の足立美波が殺され、その事件が解決していないことが明らかに。2つの事件はどう結びつくのか? そして雪実に語りかけるのは何者なのか?

バスケットボールに夢中になる美波の姿は、「ゆったん」の回想部分とはいえ、青春小説を思わせる。「自分が今までやってきた様々な要素を組み合わせたら、これまでと違う色の小説が生まれた」と誉田は手応えを口にする。女性や若者の描き方には定評があるが「あくまで個人を描こうとしているだけ。同じ人間としての共通点を見つけ、そこからアイテムなどによる違いを考える」と話す。幻想的な要素を含む今作でもリアルな人物造形は健在だ。

(中野稔)

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