ラオス、新型コロナで出稼ぎ送金減 対中債務が膨張

2020/8/31 10:00
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【バンコク=岸本まりみ】東南アジアの最貧国とも呼ばれるラオスが新型コロナウイルスにあえいでいる。国外で働いていた出稼ぎ労働者の多くが失職して帰国し、送金が大幅に減った。歳入減と通貨安が重なり、高速鉄道建設などを巡る対中債務が重くのしかかる。

ラオスでは総事業費60億ドルの中国―ラオス高速鉄道の建設が進む(19年10月)

「歳入不足に伴い、政府は債務の対処方法を模索している」。ラオス国会のリーバー・リーブアパオ計画・財務・監査委員長は21日付の同国英字紙ビエンチャンタイムズで明かした。同氏によると、2020年のラオスの財政赤字は前年より54%多い10兆3千億キップ(約1200億円)に拡大する見通しだ。

世界的な感染拡大で、タイをはじめとする外国で働いていた10万人以上の多くが帰国を強いられた。世界銀行によるとラオスへの送金は最大で1億2500万ドル(約134億円)減少し、国内総生産(GDP)を0.7%押し下げる見通しだ。

キップの対ドル相場は直近で1ドル=9090キップ前後で推移する。08年2月以来、ほぼ12年半ぶりの安値圏にある。財政逼迫と通貨安は対外債務負担を膨らませる。

ラオスは中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の途上で、同国から多額の投融資を受けている。高速鉄道やダムなどのインフラを建設するためだ。中国向けを軸とする公的債務の返済額は25年まで年平均で約10億ドルにのぼるが、ラオスの外貨準備は6月時点で19年末比12%減の約9億3000万ドルにすぎない。

ラオスの公的債務残高は19年、GDP比で59%だった。世銀は20年には65~68%に上昇する可能性があると指摘する。ラオス政府は国債発行や国有企業の株式売却を加速させる構えだが、それで十分かどうか不透明だ。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、ラオスの政府債務の格付けを投機的水準の「B3」から2段階低い「Caa2」に大きく引き下げた。

中国は債務返済に窮した新興国や発展途上国に対し、インフラの使用権や運営権の移譲を要求する傾向がある。こうした「債務のわな」に陥るリスクが高い国の一つとして、米シンクタンク、世界開発センターの報告書はラオスをあげている。

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