児童見守り、コロナで危機 大学ゼミで10年継続も自粛

社会・くらし
2020/8/30 16:51
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摂南大の学生による見守り活動(画像の一部を加工しています)=共同

摂南大の学生による見守り活動(画像の一部を加工しています)=共同

大阪府寝屋川市の摂南大の学生が、下校する小学生らの見守りや声掛け活動を続けて10年を迎えようとしている。活動の担い手が高齢化していた状況を変えようと始まった取り組みは1490回以上になるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため今春から中止に。学生は「児童が犯罪に巻き込まれる可能性が高まるのでは」と危機感を募らせている。

見守りをするのは、法学部の中沼丈晃教授(行政学)のゼミで学ぶ2~4年生。週5回、青色回転灯をつけた車で下校時に約1時間かけて3つの小学校区を巡る。小学生らが集まる公園にも立ち寄り「今日は学校でどんなことをしたの」「早く帰りや」と声も掛ける。

活動の原点は、見守り活動の中心となっていた住人の高齢化。中沼教授と問題意識を共有した学生が2010年10月から始めた。ゼミの単位にはならないボランティアだが、これまで約150人が参加した。15年に寝屋川市の中1男女が男に連れ回され殺害された事件の翌年からは週2回、朝夜に車の往来が少ない道をジョギングしながら巡回する「ジョグパト」も続けている。

4年生の宮川誉史さん(21)は「10年間かけて築いた信頼や周りに頼れる大学生がいるという日常風景を、絶やしてはいけない」と意気込むが、活動は3月から自粛を余儀なくされている。市内の小中学校は6月から授業を再開したが見守りができずもどかしさも抱く。「児童が事件に巻き込まれない環境をつくりたい」と宮川さん。不審者に近づかないよう呼び掛けることのできる別の手段を模索している。

中沼教授は「声を掛けられる大学生が近くにいたなと思い返し、児童が防犯活動に自ら参加する大人に育ってくれたら」と話している。

 ▼大阪の中1男女殺害事件 2015年8月12日夜、大阪府寝屋川市立中1年の男女が外出後に行方不明となり、顔などに粘着テープが巻かれた状態で遺体で発見された。山田浩二被告(50)は殺人罪で起訴され、大阪地裁の裁判員裁判で死刑判決が言い渡された。被告は控訴したが、その後取り下げたため、その有効性を巡って弁護人と検察側が応酬を続けている。防犯カメラの映像が逮捕の決め手になったことから、寝屋川市や近隣の市は事件後、カメラを大幅に増設した。

〔共同〕

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