「キング牧師の夢あきらめず」 米首都で大規模抗議デモ

米大統領選
2020/8/29 4:48 (2020/8/29 5:53更新)
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28日、デモ参加者は「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」とのスローガンを叫んだ(米ワシントン)=AP

28日、デモ参加者は「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」とのスローガンを叫んだ(米ワシントン)=AP

【ワシントン=中村亮】米首都ワシントンで28日、黒人差別に対する大規模な抗議デモが行われた。警官による黒人への暴力行為が相次ぐ事態を非難し、11月の大統領選では人種間の結束を訴える野党・民主党の候補のバイデン前副大統領に投票を呼びかけた。

「私の祖父が行った人種差別抗議デモを私の孫にまで引き継ぐわけにはいかない」。ワシントンのリンカーン記念堂前で開かれたイベントで、黒人活動家のフランク・センサバーさんは差別を今すぐ根絶すべきだと訴えると、参加者から大歓声があがった。デモ参加者は数万人に達した可能性がある。

28日、ミネソタ州で白人警官の暴力によって死亡したジョージ・フロイドさんの似顔絵を掲げるデモ参加者(米ワシントン)

28日、ミネソタ州で白人警官の暴力によって死亡したジョージ・フロイドさんの似顔絵を掲げるデモ参加者(米ワシントン)

28日は1960年代の公民権運動の指導者であったキング牧師が「I have a dream(私には夢がある)」と語り、黒人差別根絶を訴えた歴史的スピーチから57年にあたる。5月に中西部ミネソタ州で白人警官の暴力によって黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡。8月下旬にも同ウィスコンシン州で黒人男性が警官に銃撃され重体となる事件が発生し、抗議デモの勢いが再び増してきた。

看護師のモニカ・ハミルトンさんは、トランプ大統領が1960年代以降に積み上げてきた人種差別根絶に向けた進歩を後退させていると指摘。「私たちはデモで対抗する必要がある。キング牧師の夢をあきらめない」と力説した。

出版社に勤めるリサ・ムーアさんは党派や世代を超えて差別根絶の必要性が浸透したと指摘。「I have a dreamではなくWe have a dream(私たちには夢がある)になった」と強調し、公民権運動以降の進歩を語った。教師のジュリアン・ボールさん(24)は11月の大統領選について「私たちの世代の将来にとって死活的に重要だ」と語り、バイデン氏を当選させる必要があるとの見方を示した。

28日、1963年にキング牧師が人種差別根絶を訴える歴史的スピーチを行ったリンカーン記念堂前で大規模なデモが開かれた(米ワシントン)

28日、1963年にキング牧師が人種差別根絶を訴える歴史的スピーチを行ったリンカーン記念堂前で大規模なデモが開かれた(米ワシントン)

デモ隊は警察も強く批判した。参加者は「全ての警官はひどいやつだ」「警官が殺人者なら困ったときに誰に電話したらいいんだ?」とのプラカードを掲げた。「警察予算を削減せよ。その分を社会の役に立つ別の分野に回そう」との主張もあった。リベラル派を中心に警察解体を求める意見が出ている。

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