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三菱商事系REITが合併 資産国内最大 21年3月

不動産投資信託(REIT)の「日本リテールファンド投資法人」と「MCUBS MidCity投資法人」は28日、2021年3月1日付で合併すると発表した。合併後の資産規模は1兆円を超え、国内で最大となる。新型コロナウイルスで不動産市況の不透明感が強まるなか、合併で幅広い不動産に投資する総合型REITに転換し、投資効率を高める。

合併するのは資産規模が4位の商業施設特化型の日本リテールと、26位のオフィスビル特化型のミッドシティ。いずれも三菱商事とUBSが出資し、合併で資産規模は1兆1915億円と、現在首位の三井不動産系の日本ビルファンド投資法人を超える。合併後の名称は「日本都市ファンド投資法人」。資産規模が1000億ドル(10兆円)を超す銘柄がある米国には及ばないが、日本では最大となる。

REITの合併は19年11月以来で、新型コロナが世界的にまん延して以降初めて。日本リテールの投資口1口(株式の1株に相当)にミッドシティの投資口を2口割り当てる。日本リテールが吸収合併する形とし、ミッドシティは21年2月25日に上場廃止となる。

背景にあるのが、不動産環境の急激な変化だ。商業施設は外出抑制の普及によって電子商取引(EC)の進展が加速し、需要が急減している。オフィスも在宅勤務の普及で需要が減り、三鬼商事が発表する7月の都心5区の空室率は5カ月連続で上昇している。

コロナによる環境変化に対応するため、オフィス特化型や商業施設特化型といったアセットタイプで縛るのは適さないと判断した。総合型REITに転換することで、例えばオフィスビルの中に飲食店や小売店を充実させるなど、物件の複合化で成長につなげる。

オフィス型や商業施設型のREITには、投資家の先行き警戒も強い。日本リテールの投資口価格(株式の株価に相当)は昨年末から4割近く下落し、ミッドシティも35%安だ。資産規模の拡大で投資資金を集めやすくなり、さらに資産規模を拡大しやすくなるという利点がある。

外出自粛などの影響が大きい不動産を対象とするREITは、新型コロナを受け、さえない動きが続いてきた。日経平均株価が年初から3%安なのに対し、REITの総合的な値動きを示す東証REIT指数は19%安と、大きく出遅れている。

株式のPBR(株価純資産倍率)に相当する「NAV倍率」は国内全体で0.96倍と、資産価値に比べて投資口価格が低い銘柄が目立つ。アイビー総研の関大介氏は「年内に再編の動きが加速する可能性がある」とみる。

28日、安倍晋三首相が辞任の意向を表明した。REIT相場はアベノミクス株高や日銀の大規模な金融緩和の下で、債券に代わる利回り商品として投資マネーを集めてきた。不動産を巡る環境変化の中で、市場の転換点を指摘する声もある。

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