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拉致家族「解決に強い意欲あった」 首相辞意惜しむ

(更新)

「残念」「次の首相も積極的に取り組んで」。北朝鮮拉致問題を政権の「最重要課題」と位置づけ、被害者家族とのつながりも深かった安倍晋三首相の突然の辞意表明。家族らは無念さをにじませつつ、解決に向けて次期政権への期待も込めた。

「辞めると思っていなかった」。横田めぐみさん(失踪当時13)の母、早紀江さん(84)は突然の辞任に驚きを隠さない。父の晋太郎元外相の秘書時代から解決に協力してきた安倍首相の体調を気遣いながら「信頼して、日本のために頑張っていただきたいと言ってきた。こういう結果は非常に残念だ」と話した。

安倍首相は2002年、拉致被害者5人の帰国にも尽力した。めぐみさんの弟で、拉致被害者の家族会の事務局長を務める拓也さん(52)は「解決しなくてはいけないという強い思いがあった」と惜しんだ。

安倍首相と面会する拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(右から2人目)、横田早紀江さん(同3人目)ら(2018年5月28日午後、首相官邸)

有本恵子さん(失踪当時23)の父、明弘さん(92)は、安倍首相がトランプ米大統領と協力して解決を目指す姿を「心強く思った」。トランプ氏が米朝首脳会談で拉致問題を取り上げた際には「娘が帰ってくるまであと一歩」だと感じたといい「生きていられるのは解決の希望があるから。安倍首相のおかげでもある」と感謝した。

家族会は高齢化が進み親世代は少なくなっている。拉致問題は14年に日朝間で再調査の合意(ストックホルム合意)に至ったが、16年に北朝鮮が調査の中止を表明するなど膠着状態が続く。

田口八重子さん(失踪当時22)の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(82)は、自身の体調も含め「相当切羽詰まった状態」とし「強い意欲を後任に託し、次期政権では必ず解決に導いてほしい」と訴えた。横田拓也さんは「次の首相にも積極的に問題にあたっていただき、被害者全員が帰国できるようにしてもらいたい」と願った。

拉致被害者もそれぞれコメントを発表した。地村保志さん(65)と妻の富貴恵さん(65)は「われわれの世代で解決するよう取り組んでいく」と決意。曽我ひとみさん(61)は「まだ全員が帰ってきていない状況。(首相と)一緒に戦いたかった」とした。蓮池薫さん(62)と妻の祐木子さん(64)は感謝を述べた上で「視点を大胆に変え、解決の糸口を見つけていかなければ」と指摘した。

北朝鮮事情に詳しい東京通信大の重村智計教授は、安倍政権が拉致問題の解決に向けて北朝鮮側と水面下で粘り強く接触を重ねてきたとして「強硬姿勢を貫きながら歴代政権の中でも被害者救出への思いが強かった」と評価。次期政権も基本路線を継承し、核問題を重視する米国と密に連携して解決を目指す必要があるとした上で「経済的な課題を抱える北朝鮮に対し国交正常化をカードに説得していくべきだ」と話した。

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