台湾、米からの牛豚肉輸入を全面解禁 FTAにらむ

2020/8/28 18:57
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【台北=中村裕】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は28日夕、台北市内で会見し、米国との自由貿易協定(FTA)締結に向け、最大の障壁とされる米国産牛肉と豚肉の輸入を全面的に解禁すると発表した。解禁は2021年1月1日付。米台で今後、FTA交渉が始まる可能性が出てきた。

米台のFTA締結に向けては、台湾の米国産牛肉、豚肉の輸入全面解禁が焦点だった(8月、台北市内のスーパー)

蔡総統は、米とのFTA交渉を2期目の最優先課題の一つに挙げている。会見では「長年の懸案に決着を付ける。台米関係は今、この数十年間で最も良い状態にある」としたうえで、「歴史的なターニングポイントであり、このチャンスを我々は必ずつかまなければならない」と語った。

牛肉については従来、BSE(牛海綿状脳症)を理由に生後30カ月以下の牛肉に限定し、米国産の輸入を認めていた。こうした制限を今後、撤廃する。

豚肉については従来、成長促進剤のラクトパミンの使用を根拠に輸入を厳しく制限してきた。米国は科学的根拠に基づいていないと反発し、認識に隔たりがあったが、この点でも台湾が譲歩する。今後はラクトパミンの残留基準を設け、輸入を大幅に認める。

台湾が世界貿易機関(WTO)に加盟した02年以降、米台は何度も関税撤廃などで協議を続けたが、ぎくしゃくした。07年にはBSEを巡る米国産牛肉の輸入で関係が悪化し、その後、協議は長く中断した。

さらに馬英九前政権時代の09年にも、米国産牛肉輸入の大幅な解禁をほぼ決め、米国側と協議がまとまりかけたが、国内で与野党から猛反発を受け頓挫した。

蔡総統は、米国との交渉入りにはまだ道のりがあるとしながらも、「豚肉と牛肉問題で一歩を踏み出せれば、それは重要なスタートとなる」と期待を寄せた。ただ、FTA交渉が始まれば、中国大陸と台湾は一つの国に属するという「一つの中国」を唱える中国の反発は必至だ。

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