西鉄、無人駅3分の1に拡大 遠隔管理し効率化

2020/8/28 19:12
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西日本鉄道は28日、10月から天神大牟田線などで駅員が常駐しない無人駅を増やし、遠隔管理すると発表した。無人駅を従来から4割増やし、全駅の3分の1にあたる24駅が無人化する。カメラで遠隔監視し、利用客の問い合わせにはモニターなどで応じる。福岡県南部で利用客の減少が続き、コスト削減が急務になっていることに対応する。

新たに無人になる八町牟田駅(福岡県大木町)

新たに無人になる八町牟田駅(福岡県大木町)

西鉄は2012年に一部の駅を初めて無人化した。現在は大牟田線や甘木線の7駅で終日、10駅では午前10時~午後4時を無人にしている。10月1日に、大牟田線の三潴駅(福岡県久留米市)や犬塚駅(同)など7駅を新たに無人化する。

安全管理とサービス低下を防ぐため、総額2億円を投じる。無人駅全てにカメラやインターホンを設置。福岡県南の主要駅である柳川駅(柳川市)に新設した「サポートセンター」で、常時3人の職員が無人駅の状況を把握する。利用客はインターホンで問い合わせできるという。

非常時に列車を止めるボタンを増設し安全性も高める。痴漢など迷惑行為には遠隔放送で注意喚起する。近隣の駅係員が1日に複数回、無人駅を巡回するほか、高齢者ら乗車時に介助が必要な人は、要請があれば係員を派遣する。鉄道事業本部の松藤悟副本部長は「全ての無人駅で遠隔対応するので、利便性は向上する」と説明した。

背景には人口減による鉄道利用客の低迷がある。久留米市以南の県南地域の人口は1990年に比べ11%減少。甘木線の1日あたりの平均駅利用者はピークだった92年の738人から42%減の422人まで減っている。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大で4~6月期の鉄道事業の営業損益は9億円の赤字に転落。コスト削減が急務となっていた。

今回の無人駅拡大で、駅運営のコストを削減する。駅運営にかかわる約30人は配置を転換する。同社は2020年度中に、150億円の経費削減に取り組むと発表している。新型コロナで利用者が減った土日の早朝や深夜帯の、ダイヤ改正も検討を始めているという。

無人駅の遠隔管理はJR九州も進めており、4月には鹿児島本線などで利用客がコールセンターの社員と会話をしながら切符を購入できる券売機「アシストマルス」を導入した。

西鉄は今後の無人駅拡大については未定とするが、新型コロナの影響が長引くなか、さらに効率化を迫られる可能性もある。(荒木望)

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