/

トランプ氏受諾演説「米を製造業の超大国に」

【ワシントン=永沢毅】ドナルド・トランプ米大統領(74)は27日の指名受諾演説で自画自賛と中傷を織り交ぜ、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)の打倒をめざす方針を強調した。「米国第一」の継続か、民主党の政権奪還か。11月3日の大統領選に向けた攻防は激しさを増す。

「かつてないほどに米国を偉大にしてみせる」。トランプ氏は演説でこう誇示し、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を早期に回復に導けるのは自分だと訴えた。バイデン氏については「社会主義的」「米国の偉大さの破壊者」などと攻撃した。

支持率でバイデン氏に水をあけられているトランプ氏の再選は、秋にかけて経済を上向かせてコロナ収束に道筋をつけられるかに大きくかかる。トランプ氏は「たった3年で世界史上、最も強い経済を築き上げた」とコロナ前まで米史上最長の景気を維持し、完全雇用に近い失業率を維持していた点を有権者にアピールした。

トランプ氏は未曽有の好景気を演出した減税や規制緩和を「(2期目も)かつてないレベルで続ける」と説明した。中国から米国に雇用を戻した企業への税制優遇措置などを新たに設けて「次の4年間で米国を製造業の超大国にする」と宣言した。

「(バイデン氏は)米国の雇用の破壊者であり、米国の偉大さの破壊者となる」。演説では多くの時間をバイデン氏への攻撃にあてた。バイデン氏の政策に「メード・イン・チャイナ」などとレッテルを貼り、中国を利すると警告した。

共和党は党大会でキューバ系移民を演説に登壇させ、社会主義の脅威をあおった。「アメリカンドリームを救うか、社会主義者の計画が米国の大切な運命を破壊するのを許すか」。トランプ氏はこう選択を迫り、社会の分断を深めるリスクをいとわず穏健派の支持離反を狙った。

中西部ウィスコンシン州での警官による黒人銃撃を機に再び激化した抗議デモを厳しく取り締まる方針を示したのも同じ文脈だ。「バイデン氏は民主党大会で(全米各地の)暴動には沈黙を保ったままだった」。トランプ氏はこう批判。「左派が権力を握れば、郊外を破壊し、皆さんの銃を没収する」と自らが掲げる「法と秩序」の必要性を訴えた。

米CNNの世論調査(8月)では無党派層の61%、民主支持層でも65%が犯罪・治安対策が重要と回答した。トランプ氏の訴えがこうした支持層に響く可能性はある。

新型コロナ対応でも対比を鮮明にする。「バイデン氏の計画はウイルスへの解決策ではなく降伏だ」。コロナ収束に向けて経済活動の再停止に言及したバイデン氏を「米国全体に苦痛を与える(都市)閉鎖を強いようとしている」と指弾した。 「中国が(新型コロナの感染拡大で)起こした悲劇の責任を取らせる」。トランプ氏は中国を繰り返しやり玉にあげた。新型コロナの拡散で史上最悪となった米国民の対中感情の悪化をあおり、自らへの追い風にするためだ。

米調査会社のギャラップによると、1988年大統領選で共和党のブッシュ元大統領(父)は8月時点で17ポイントの大差で民主党候補の後じんを拝していた。その後「史上最大」と言われる中傷キャンペーンで逆転を果たした。単純比較はできないが、多くの世論調査でバイデン氏との支持率の差は10ポイント内にとどまる。

「バイデン氏がいかに急進左派に毒されているか知らしめる」。共和党のスコット・ウォーカー元ウィスコンシン州知事は、トランプ氏が、増税プランなどバイデン氏の弱点をあらゆる機会を使ってたたくとみる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン