車8社、7月世界生産14%減 海外で回復先行
トヨタ自動車など国内の乗用車8社が28日まとめた7月の世界生産は前年同月比14.2%減の198万5678台だった。下げ幅は新型コロナウイルスの影響で6割超減少した4~5月と比べると小さくなり、工場も徐々に通常稼働に近づきつつある。コロナの感染第2波なども懸念されるが、いかに需要を喚起し全世界で生産・販売とも回復できるかが試される。
7月の世界生産は14.2%減で、6月の26%減よりは下げ幅が縮小した。新型コロナの影響では5月の62%減が最も減少率が大きく、下げ幅は2008年以降で過去最大となった。その後は各地での工場の稼働再開に伴い、回復しつつある。
なかでも海外生産は10.2%減の131万1621台と、21%減の67万4057台だった国内生産に先行する形で回復が早い。8社の中でもホンダとSUBARU(スバル)の2社は、海外生産が前年同月比で増加した。
ホンダは販売が好調な中国での生産が29.4%増と大幅に増加。7月単月として中国生産が過去最高だったほか、米国などでの生産も伸び、海外生産全体も4.3%増の36万5415台で過去最高だった。スバルも米国生産が好調で海外生産が4.3%増の2万4164台、世界生産は微増の8万5603台と7月として最も多かった。
他メーカーでも、海外生産全体は減少したものの、販売回復が進む中国での生産は好調だ。トヨタは31.3%増、日産自動車は9.4%増、マツダも4.4%増と、まだ生産が本格化していない国もあるなかで伸びは顕著だ。
一方で国内販売は需要が回復しきっておらず、19年が完成検査問題によって生産台数が少なかったため前年比で増加に転じたスズキを除き、全てのメーカーで前年割れとなった。