未来面「やり方を変えましょう。」

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 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」を展開しています。今期のテーマは「やり方を変えましょう。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。

20年後、どんな「延長線上にない変化」が起きる?
読者の提案 川合尊・日本特殊陶業社長編

未来面
2020/8/31 2:00
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川合社長の提示した「20年後、どんな『延長線上にない変化』が起きる?」という課題に対し、多数の投稿をいただきました。日経COMEMO( https://comemo.nikkei.com/n/nd89c5ed2dc50 )でも各業界のキーオピニオンリーダーたちが今回の課題について議論しています。

紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部を紹介します。

■記憶を情報共有

小林亮太(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部4年、21歳) 現在、デバイス間で情報の共有を容易に行える。パソコンのデータを持ち運びが容易な携帯で共有し、道中に作業を行うことができる。ウェアラブル端末の様に身の回りの物がインターネットに接続され、多くの情報を多くの媒体に共有する未来は近いと思う。では20年後はどうなるか。私は「人の記憶」がインターネットに接続され、第三者の人々に共有されると考える。つまり人対人の、記憶という情報共有だ。人の記憶というのは、考え・経験などを写した物であり、読み取る事で人柄をより理解することができる。例えば、異国・異文化の人に対しての理解をより深められれば、グローバル化の進展に効果をより発揮できると考える。私自身、人の記憶をのぞいてみたい。自分では思い付かない思考、経験を読み取る事で、新たな自分に出会えるかもしれない。世界の社会問題の解決に尽力している新たな自分の姿を想像すると20年後の世界が楽しみだ。

■人間力が物を言う

冨永穂波(会社員、26歳) 20年後は、人工知能(AI)と共存しながら、人間しか生み出せない価値を世の中にどれだけ提供できたかが評価される時代に変化しているだろう。今、多くの企業では、副業を認めて社員の視野を広げたり、他社の専門人材を受け入れて交流を図り、「社内イノベーション」を活発化させたりしている。こうした取り組みが浸透し、「社員をシェア」することが当然の世の中になっていると考える。20年後は「働き方改革」という言葉も無くなり、AI装備のインフラが整備され、全ての人が抱える制約の中で、働く場所や時間、性別等にとらわれず自由に働ける社会になっているだろう。ビジネスの世界では、AIにはできない「革新的な発想」や「多様な価値観の受容」「他者への思いやり」といった人間力がますます求められることから、20年後、自分が思い描く人生を歩むために、今から様々なチャレンジをして多様性に富んだ経験を積んでいきたい。

■空に描くアート

加藤慎也(明治大学商学部3年、20歳) 20年後には空を舞台にしてエンターテインメントが繰り広げられている。それも打ち上げ花火のような一瞬の芸術ではなく、空をスクリーンにした映像や、アート作品が鑑賞できるようになる。空の一部をスクリーンに見立てて映画を放映することで、今までにない映像の楽しみ方が広がる。また、夜空にアート作品を投影することで星との融合による新たな芸術の可能性が開ける。この変化による利点は物質的な制約を取り払うことができる点だ。映画館や美術館のような、決められた大きさの枠組みに芸術を収めるのではなく、空に巨大な作品を出現させることができ、アートの可能性を広げる。さらに国や地域など、場所を選ばない上に、鑑賞スペースが広範囲になることで、一度に多くの人々にアートを届けることができる。その時に私は宇宙開発関連の会社を起業し、世界中の人々に上を向いてもらい、感動させるような仕組みをデザインしている。

【以上が紙面掲載のアイデア】

■新しい力

小山大輔(会社員、44歳) 電気自動車などで活用されているリチウムイオン電池は20年後、どんな変化が起きているのであろうか。ポスト・リチウムイオン電池と呼ばれる「フッ化物イオン電池」や「亜鉛空気電池」などに置換されるのか。リチウムイオン電池は発明から商用化まで年数が掛かったことを思うと、20年後はまだ主流の座を明け渡していないと考えられる。仮に次世代の電池が台頭したとしてもその動力の源は電気であり、その電気を蓄えるためのエネルギーは持続可能なエネルギーであるべきだ。地球の資源を考えると、どこかで電気の量は頭打ちになってしまう。そこで、延長線上にない新たな動力が生まれるのではないかと考える。地球上の自然界に存在するエネルギーとして重力がある。重力は地球の引力と遠心力を合わせたもので、この引力や遠心力の方向を変換し、制御することで必要な動力を得られる仕組みが構築されると面白い。私自身の20年後は、何か新しいモノづくりの一助になる業務に従事していたい。

■電気の「次」のエネルギー

稲田正徳(地方公務員、48歳) エネルギーは、人・馬・石炭・石油・電気と変遷したが、電気の次が出てこない。電気は光り、回り、走り、歌う、とても汎用性の高いエネルギーだが、発電の際に温暖化ガスを発生させる場合があり、また、基本的にためられないという欠点を持つ。悪化する地球環境と、それにより多発する災害を考えた場合、SDGsを体現するような新たなエネルギーが、20年後には出てくると思う。それは、バックトゥザフューチャーに出てきたタイムマシンの生ゴミエンジンのような全く新規のSF的エネルギーかもしれない。もしくは、ねじ巻き時計のバネの力や、学校の理科で使った磁石の磁力、気球の水素など、電気の陰に隠れたエネルギーを改良し、汎用性が電気並みに昇華した究極のアナログエネルギーかもしれない。新型コロナウイルス同様、エネルギーも目に見えない。今後は、目に見えないものにこそ、注目が集まると思う。

■待ち遠しい未来

南奈美江(名古屋学院大学商学部4年、21歳) 20年後は今よりますます利便性が向上しているだろう。朝、気分良く起きるために体内にチップを埋め込んでおき、目覚めの良いタイミングを検知して機械が起こしてくれる。身支度は四角いボックスに頭をいれるだけで5分ほどでメイクとヘアセットが自動で完了する。通勤方法は空飛ぶ車やバイクが新たに加わるため、個人の好きな方法で通勤できるようになり朝の渋滞が緩和される。仕事場では皆がロボットを1台ずつ与えられ、人間がやる必要のない仕事はロボットに託す。そうすることによって、ロボットにはできない、人がやらなければいけない仕事により多くの時間を割くことができるため、レベルの高い丁寧な仕事ができるようになるだろう。昼食は、材料を投入するだけで料理ができるマシンで毎日栄養満点なできたてのご飯を食べることができる。

■母なる大地に抱かれて

鵜飼信(会社員、37歳) 20年後、人類は大地の懐に安住の地を見いだすだろう。気候変動による豪雨や洪水の頻発、大気や海洋の汚染は地上をますます住みにくい場所とした。地上がダメなら宇宙はどうか。宇宙は人類を移住させるには遠すぎて危険すぎる。それなら地下はどうか。そこで人々は気づくだろう。地下移住のために必要な技術の大部分を人類は既に手にしているということに。地下空間を開削するための土木技術はもとより、閉鎖空間内で資源を循環させるシステムや食料を生産するノウハウも開発されて久しい。では人々の暮らしはどうなるか。地下では酸素が貴重となる。資源やエネルギーの浪費も戒められるので、人々は移動を控えてバーチャルな世界に深く身を委ねるようになるだろう。けれどもそれは人々が活気を失うということではない。文字通りの「ハレの日」に人々は地上に赴き、太陽の恵みを享受するだろう。かつて呪われた地上はその時、祝祭の場となるのだ。

■言葉をゼロに!

矢頭俊也(会社員、34歳) 「人間は地球上で唯一言葉を話す動物である」。20年後に、その言葉がゼロになったらどうだろうか。意思疎通は直接脳に届けることが可能となっていたら? そもそも言葉の概念がなくなる。今日では、デジタル技術や翻訳機能などの普及により、世界中の人間が簡単につながる。しかし理解することに一定の時間は必要だし、言葉の勉強も必要だ。それを取っ払おうというのだ。グローバル化が進んでいるのだから、意思疎通方法を統一してしまおう。国々の言葉の歴史や重みはこの際一切考えないようにして。直接脳に語りかけ、心からのコミュニケーションをとれるようになり、全世界のいい取り組みを瞬時に自分のものへ変換し使いこなす。それができれば、全人類は1つ上のレベルに上がれるはずだ! 宇宙人は既にそうかもしれない……。

■サブスク型時代の到来

細見勝(会社員、47歳) 今ある専門技術は2040年にどれだけ残っているだろうか。例えば、車は自動運転になり事故も限りなくゼロに近づく。今も故障修理は専用プログラムと車をつなぎ、不具合の原因となっている部品を交換することで完了する。常につながりいつでも異常を発見できる環境が整えば、車検制度がなくても安全を担保できる世界がくるだろう。家電や機械も同様である。故障や損壊の保証や修理という概念が大きく変わり、アフターフォローは全てパッケージ化されたサブスクリプション型が主流になるのではないか。交換可能な部品であればメーカーから直接届けられ、自分で簡単に交換できる。交換できない部品であれば製品自体を取り換えてしまうという具合に。そのためには、あらゆるものがリユースできる枠組みが必要であり、部品を届ける物流網の開発がポイントとなる。実現のために、我々は新たな仕組みを構築する役割を果たさなければならない。

■時給で働くロボット

松井直(会社員、37歳) もう何十年も前からロボットが活躍する未来を誰もが想像してきたと思う。映画でも多くの作品があるが、まだ少し先の未来の話なのだろうと思っている人も多いのではないか。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で一気にデジタル化が進んだ。感染防止の観点からもロボットの活躍は重要と考える。そこで、20年後はロボットが人と同じように時給で働いているのではないかと考えた。人材派遣ならぬロボット派遣の会社がいくつもあり、ロボットが派遣されてくる。もちろんロボットの能力や仕事内容によって時給も変わる。人口減少で働き手が減っていることからも、20年後、ロボットの活躍は間違いないだろう。

■人生メモリー

高橋利明(会社員、26歳) もしも記憶を映像化できたらと思うことがある。思い出は写真に残したりするがやはり記憶は薄れていくものだ。技術が発展をし、人の記憶、思い出を鮮明に映像化できたら、面白い変化が起きそうだ。例えばプロのスポーツ選手の試合中の記憶を映像化できれば、どのように試合中に視野を確保し動いているのか映像から学ぶことができる。現在、新型コロナウイルスのまん延により、旅行などが楽しめなくなっているが、これからは各地の旅行に行った記憶を映像化し、第三者にも共有できるようになれば、人工知能(AI)技術を活用し、温度などの体感も含め疑似体験できるのではないか。いわば多数の人の人生を映像化し、共有することで色々な人生を追体験することができるようになる。昔は考えられなかった動画配信者がいるように、人生もビジネスとして活用される時代がくるかもしれない。きっと私もそのビジネスに携わっている。

■瞬間移動の世界

高橋雄一(会社員、51歳) コロナ禍で帰省もままならないご時世だが、そもそも移動には時間がかかる。旅の醍醐味ではあるが、行きたい場所に瞬時に行けたらどんなに便利で効率的だろう。量子力学のテレポーテーションに期待を寄せるが、実現できれば社会が大きく変わることは間違いない。会社員であれば、転勤や出勤など自宅から離れた場所で仕事をするが、転居は不要となり通勤という概念が無くなる。顧客先への訪問も容易で残業に苦しむ労働環境も大きく改善される。釣った魚を新鮮なうちに調理できたり、帰りの渋滞を気にせずゴルフに出かけたりできる。旧友との再会もデジタル機器を利用しなくても可能だ。スマホは便利だが、実際に会うこととは格段に違う。高齢者が車を手放しても通院や買い物ができる。介護の環境も劇的に変わり、自分の使える時間が大きく増える。現在社会で取り組んでいる次世代移動サービス「MaaS(マース)」や「CASE」のその先だ。そんな社会の到来がとても待ち遠しい。

■人とロボットの共存

光田圭吾(名古屋学院大商学部4年、21歳) 人と人の関係も残りながらも人とロボットの関係も築かれていくのではないかと考える。ロボットのサブスクリプションのようなものだ。ロボットが欲しい人1人に1台の専用ロボットがつく。その機能は持ち主の思考力、行動力などを参考にしているため、持ち主のことをすべて知り尽くしている。仕事での悩みに対し、その人がその時どう行動するのかを考えアドバイスをすることや、仕事でミスをしていまい落ち込んでしまった時にどう接するのかをというのを客観的かつ主観的に分析することによって励ます。ロボットは人に気分を落ち着かせリフレッシュすることができる。これは人と人ではどうしても感情が邪魔をしていまって、言いにくいことや普段言ってもらえないことをロボットが代わりに言うといったような新しいサービスになるのではないかと思う。

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