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NY市、入場制限で美術館再開 MoMAなど

(更新)
ニューヨーク近代美術館(MoMA)は27日、ほぼ半年ぶりに再開した

【ニューヨーク=河内真帆】新型コロナウイルスの影響で閉館していたニューヨーク市の美術館が段階的に再開する。27日はニューヨーク近代美術館(MoMA)が一般公開を始めた。メトロポリタン美術館は29日から一般に公開する。同市を代表する文化施設の再開を待ち望む人は多い一方、各館は感染抑制へマスク着用の義務付けや入場制限を徹底する。

MoMAの再開初日となった27日。午前10時半の開館30分前には30人ほどの行列ができた。開場の約10分前にはグレン・ロウリー館長自らが外に足を運び、列に並ぶ一人ひとりに「戻ってきてくれてありがとう」と話しかけた。

MoMAは再開を祝う特別期間として、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの支援を受けて9月27日まで入館料を無料にする。

入り口には体温測定器があり、館内には6フィート(約2メートル)の社会的距離を示す目印を置くなど新型コロナ対策を施す。

新型コロナの感染拡大前、ニューヨーク近代美術館(MoMA)には世界から観光客が訪れた

館内に入ると、コロナ前と比べて来館者の少なさが目立った。5階にあるモネの「睡蓮」の展示室には10分間の滞在中に訪れたのは3人ほどだ。30代の女性は名画の前に立ち、他の観客に記念撮影を頼みながら「こんなに近距離で名画と並んで写真を撮影できたのは生まれて初めてだ」と笑った。

クイーンズ地区から7歳の双子の男児と女児を連れてきた母親は「閉館前は一週間に一度は子供を連れてきた。ひさしぶりで2人とも興奮している」と話した。

メトロポリタン美術館は29日の一般公開を前に、27日から会員向けの特別閲覧を始めた。ダニエル・ワイス最高経営責任者(CEO)は「我々が緊急に閉館しなければならなかったのは150年の歴史の中で何度もない。最長でも3日間だった。今回は自主閉館した3月13日以来ほぼ半年間に及んだ」と前例のない出来事の重さを語る。

MoMAは入場を制限し、混雑なしに名画を楽しめた

新型コロナの死者は全米で約18万人にのぼり、なかでもニューヨーク州は約2万5千人が犠牲になった。同州のクオモ知事は経済再開を慎重に進め、美術館などの施設再開にゴーサインを出したのは8月14日だった。

9月以降はアメリカ自然史博物館や9.11記念博物館、グッゲンハイム美術館などが順次、再開する予定だ。

再開後も各館は感染予防に向けた規則を徹底する。来館者にはマスク着用を義務付け、入場者数は定員の4分の1を上限とする。開館日時の短縮し、入場の日時を決めた前売り券も導入する。イベントホールは閉鎖し、館内での飲食サービスはなくなった。

半年近くの閉館で各施設の財務は急激に悪化している。寄付金や会員費と並ぶ収入源だった入館料がゼロとなった。一方で、職員の賃金や施設の運営管理費の削減には限界がある。

メトロポリタン美術館は「来館者がいなくても、美術品の管理や警備にかける人員や館内にある池のコイの飼育要員、古代布の保存修理の作業など見えないところに絶えず人の手がかかる」と説明する。同美術館は2020年に1億5千万ドル(約160億円)の減収を見込む。MoMAは昨年秋に4億5000万ドルの改修プロジェクトを終えたばかりだ。

閉館中は館内のバーチャルツアーや学芸員による解説のライブ配信など芸術の新たな楽しみ方の提案も広がった。世界から観光客が訪れたニューヨーク市の美術館や博物館は、再開後もコロナ前のようなにぎわいは期待しにくい。各館とも展示や集客の新たなあり方を模索している。

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