携帯乗り換え、停滞打破狙う 番号持ち運び無料化案

2020/8/28 1:33
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総務省は27日、同じ電話番号で携帯会社を乗り換える際の手数料について、原則無料とする案を公表した。一律3千円の手数料が乗り換えを停滞させ、通信料金の競争を阻んでいるとみている。著しく高い違約金が生じる「2年縛り」を2019年に規制したのに続き、各社の競争を促すことで国際的にみて高い料金の引き下げを図る。

同日の有識者会議で「番号持ち運び制度(MNP)」について、ウェブサイトでの申し込みは無料、店頭は上限1千円とする案を示した。

ウェブ申し込みでは大手が受付時間を午前9時から午後8時などに限っているのを24時間とする方針を示した。乗り換えようとする人に対し、買い物などに使えるポイントを特別に与えて引き留めるのも禁じる考えだ。

有識者会議は総務省案をおおむね了承した。9月にも報告書案をまとめる。総務省は意見公募を経て、関連するガイドラインの改正を目指す。

同じ番号で携帯会社を変えるには、現在の契約先に3千円を支払う必要がある。今回、この手数料の無料化が示された。移行先との契約には別に原則3千円がかかる。

手続きに伴うコストは各社で異なるにもかかわらず、乗り換え手数料は横並びが続いてきた。

MNPの利用はNTTドコモが米アップルの「iPhone」を扱い始めた13年度の657万件がピーク。近年は500万件前後で推移する。

総務省は19年10月の電気通信事業法改正により「2年縛り」などの囲い込みを制限することで料金の引き下げを図った。ただ、19年度(速報値)の持ち運び制度の利用は前年度から約70万件減少。20年3月時点の世界6都市の料金を比較すると、東京(NTTドコモ)は標準的なデータプランで2番目に高かった。

英米などでは乗り換え手数料は無料だ。ソフトバンクは日本経済新聞に対し「具体的に制度化された場合は、それに沿って対応していく」との考えを示した。KDDIは「今後の議論を踏まえ、適切に対応していく」とだけコメントした。

仮に乗り換え手数料が引き下げられても、利用者が契約先と移行先のそれぞれで手続きをする煩雑さは変わらない。移行先との新規契約に必要な手数料は残る。総務省案ではこれらについて「今後も議論する必要がある」とした。乗り換えを促すにはさらに踏み込んだ見直しが欠かせない。

情報通信総合研究所の岸田重行氏は乗り換え手数料の引き下げについて「日本は世界的に見て解約率は低い。乗り換えニーズがどの程度あるのかは測り方が難しい」と語り、効果は不透明との見方を示した。

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