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熱狂の軌跡、証言で回顧(書評)

「URCレコード読本」

約50年前、ザ・フォーク・クルセダーズをはじめ個性的なミュージシャンが活躍した「関西フォーク」シーンを起点に生まれた日本初の本格的なインディーズ(独立系)レーベル「URCレコード」。わずか数年の活動で数多の名盤を送り出した歩みを振り返る一冊。

シンコーミュージック・エンタテイメント 1800円(税別)

URC=アングラ・レコード・クラブは大手レコード会社が扱わない強烈な反戦・プロテストソングを歌う岡林信康や高田渡らの初期作品から出発し、音楽性を広げながらロック色の強い遠藤賢司や、細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂による「はっぴいえんど」などの作品を展開。ルポライター竹中労による大衆演芸アンソロジー「日本禁歌集」といった貴重な音源もリリースした。

本書は高石友也(現ともや)、中川五郎ら中心的なアーティストが当時を振り返るインタビューを収録する。その生々しい言葉からはボブ・ディランなど欧米のフォーク/ロック、カントリー、ハワイアン、伝統音楽/民謡などが混然一体となって新しい日本の音楽が形作られていく過程の熱が伝わってくる。

ファンが高じてメジャーデビュー後にURCから作品をリリースしたなぎら健壱のURC愛。金延幸子が海外でも評価の高い名盤「み空」を自ら全曲解説するなど、必ずしもレーベルの本流ではないアーティストの言葉はURCの実態を立体的に伝えてくれる。

後の音楽シーンに最も大きな影響を残した「はっぴいえんど」についてはすでに語りつくされた感もあり本書での言及は少ない。それでも、後続世代の直枝政広(カーネーション)、鈴木惣一朗、前野健太、佐藤良成(ハンバート ハンバート)、岡田拓郎らの語りなど、2020年現行の音楽リスナーにとっても興味深い内容だ。(佐藤洋輔)

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