米南部に最大級ハリケーン、60万人避難勧告 石油施設停止 - 日本経済新聞
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米南部に最大級ハリケーン、60万人避難勧告 石油施設停止

(更新)

【ニューヨーク=中山修志】米南部のメキシコ湾岸に大型ハリケーン「ローラ」が接近し、テキサス州やルイジアナ州で被害への警戒が強まっている。両州では26日までに約60万人に避難勧告が出された。湾岸の石油施設の操業が止まり、供給不足の懸念からガソリンなどの価格が上昇している。

ローラは26日午後の時点で5段階で2番目に強い「カテゴリー4」まで勢力を強め、メキシコ湾内を北上している。米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、現地時間27日未明(日本時間27日午後)にテキサス州とルイジアナ州の州境付近に上陸する見通しだ。

テキサスとルイジアナの両州は計約60万人に避難勧告を出した。休校中の学校の体育館などが避難所に指定されたが、新型コロナウイルスによって住民の移動や受け入れ体制に影響が出ている。

米疾病対策センター(CDC)は自治体からの要請があった場合、迷わず避難所を利用するよう勧めている。だが、地元メディアによると、密集を避けるため自宅待機を選ぶ住民も多いという。CDCは避難所での感染を避けるため1人5枚のマスクを配布するよう推奨しているが、十分な量を用意できない避難所もあるとみられる。

メキシコ湾岸には全米の精油能力の約5割が集中している。周辺の石油生産設備や製油所はハリケーンの被害に備えて操業を停止し、従業員を避難させた。操業停止が長引けば石油製品の供給が滞るおそれがあり、米商品市場では原油先物指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が1バレル43ドル台半ば、ガソリン先物が一時1ガロン1.4ドルとおよそ5カ月ぶりの高値に上昇した。

米南部では2005年8月にハリケーン「カトリーナ」がルイジアナ州に上陸し、1800人が死亡する被害を出した。ローラは上陸時の勢力がカトリーナを上回る可能性がある。NHCは「26日夜からテキサスとルイジアナが暴風域に入り、上陸後は破壊的な暴風の被害が見込まれる」と警戒を呼びかけている。

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