米中西部の黒人銃撃抗議デモ激化 発砲で2人死亡
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【ニューヨーク=河内真帆】米中西部ウィスコンシン州で抗議デモが激化している。23日に黒人男性が警官に背後から発砲された事件を受け、抗議デモが発生。一部が暴徒化し、25日には銃撃で2人が死亡するなど緊張が高まっている。
SNS(交流サイト)に投稿された動画によると、同州ケノーシャで黒人男性のジェーコブ・ブレークさん(29)が車内に入ろうとしたところ、警官が背後から複数回発砲した。ブレークさんは病院に運ばれたが下半身がまひしたままという。現地では警察への抗議デモが広がり、武装した自警団もできている。
警察の発表によると、抗議デモが続くなか25日の深夜から未明にかけて発砲事件が発生。2人が射殺され、1人が重傷を負った。警察側は26日、17歳の少年を意図的な殺人の容疑で逮捕したと発表したが、詳しい内容は明らかにしていない。
現地では夜間の外出禁止令が発令されている。暴徒が商店や車に火をつけ、警官隊は催涙ガスなどで制圧する事態に発展している。ウィスコンシン州のエバーズ知事は24日、地元警察の支援と治安維持のために州兵を動員した。
米国では5月にミネソタ州で白人警官の暴行による黒人男性の死亡事件が起き、全米を揺るがす大きな抗議デモに発展した。今回の警官発砲を受け黒人差別に対するデモが再び広がる可能性がでている。