リクルートHDの純利益62%減 4~6、求人サイト苦戦
リクルートホールディングスが26日に発表した2020年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比62%減の223億円だった。14年の上場以来、同期間としては初の最終減益。米国を中心に展開する検索型求人サイト「インディード」が苦戦し、国内の宿泊予約サイトや飲食店サイトも振るわなかった。
売上高に相当する売上収益は4754億円と20%減った。インディードが主力のHRテクノロジー事業が741億円と27%減ったのが大きい。インディードに掲載される米国の求人情報が3月ごろから減少し、広告売り上げが悪化した。

飲食店サイト「ホットペッパー」や宿泊予約サイト「じゃらん」などのメディア&ソリューション事業は売上収益が29%減の1329億円だった。飲食店からの広告出稿が落ち込んだほか、ホテル・旅館の宿泊予約客が大幅に減った。人材派遣事業は12%減の2742億円。都市封鎖のあった海外を中心に労働時間が削られ、派遣需要は低迷した。
セグメント別に公表するEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を見ると、HRテクノロジーが59%減の78億円、メディア&ソリューションが45%減の273億円だった。人材派遣は販管費抑制によりわずかに増え198億円だった。
インディードは足元で業績が底入れする兆候が見られる。HRテクノロジー事業の7月の売上収益はドル建てベースで前年同月比約7%減と、4月から28ポイント改善した。
同日開いたアナリスト向けオンライン説明会で荒井淳一執行役員は「7月の利用者数は新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻っている」と説明した。オンラインにより採用・求職の手続きを完結できる仕組みを整えたのが奏功したとみられる。
インディードの求人広告料金は「求人案件のクリック単価×実際のクリック数」で決まる。利用者数が戻りクリック数が増えたことに加え、企業からの広告出稿も回復して売上収益が改善している。
21年3月期の通期業績予想と年間配当予想はいずれも「未定」のままとした。荒井氏は「直近は改善トレンドにあるが、今後の見通しは引き続き不透明」と説明した。
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