JR西の車両基地、47カ所に浸水リスク 退避計画作成

2020/8/26 14:10 (2020/8/26 16:21更新)
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台風19号の影響で北陸新幹線はJR東日本と西日本が保有する車両が廃車となった(2019年10月、長野市)

台風19号の影響で北陸新幹線はJR東日本と西日本が保有する車両が廃車となった(2019年10月、長野市)

JR西日本は26日、同社の新幹線・在来線の車両基地47カ所で豪雨による浸水リスクがあると発表した。8月に基地近くの河川の降水量を5日後まで予測できるシステムを導入しており、今後は車両の退避計画など浸水対策を進める。近年は台風や豪雨など大規模な水害が目立っており、ハード・ソフト両面の対策を進めることで輸送機能を確保する狙いがある。

同社が豪雨による浸水リスクを想定した対策をつくるのは初めて。2019年10月の台風19号ではJR東日本の長野新幹線車両センターが浸水し、JR東と西が保有する計10編成120両が廃車となった。2社あわせて約150億円の損失が出るなど浸水対策は経営課題の一つとなっていた。

JR西によると、浸水リスクがあったのは約150ある車両基地のうち15府県の47カ所。岡山県と広島県の山陽新幹線の基地や、在来線では1日当たりの利用者が最多のJR神戸線(大阪駅―神戸駅)の基地も含まれる。新幹線の基地はいずれも0.5メートル未満、在来線は最大4~5メートルの浸水が想定されるという。約160の信号機器室や指令所などの電気施設にも浸水リスクが判明した。

同社は8月、気象情報を扱う企業と連携し、基地近くの河川に降る雨量を現在から120時間後まで予測できるシステム「車両避難判断支援ツール」を各支社や指令所に導入。台風の接近などによる河川の氾濫が予想される場合に浸水リスクのない駅や車両基地への退避に役立てる。具体的な退避計画は基地ごとに作成し、これまで5割超の26カ所で作ったという。

電気施設では止水板や土のうによる防水対策を進め、浸水しても即時に復旧できるよう予備の電子機器などを準備する。設備の更新時には高所への移転も検討する。

同社が今回発表した浸水リスクは、国が公表するハザードマップを基に数十~200年に1度の「計画規模降雨」で浸水が想定される施設を対象とした。15年に改正された水防法では、河川を管理する国や都道府県は、1000年に1度の「想定最大規模降雨」の浸水区域を公表するよう求めている。

JR東も5月、同様の浸水対策を発表。約400の施設でかさ上げなどの対策を講じる方針を示している。

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