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500億円の文化支援 申請なかなか伸びず

文化庁が、芸術に携わる個人や団体に対して総額500億円もの支援を行っている。新型コロナウイルス対策として6月に成立した第2次補正予算で実現したもので、同庁の年間予算の半額に迫る巨額の助成といえる。

文化庁が製作した「文化芸術活動の継続支援事業」を説明する動画

題して「文化芸術活動の継続支援事業」。音楽、演劇、映画、美術など幅広い分野の芸術家個人や、周辺のスタッフ、さらにはライブハウスやミニシアターにまで支援対象を広げた点で、これまでにない新しい支援なのだが、申請件数が伸びていない。7月末までの申請は1万1239件。上限20万円、150万円、1500万円と多様なメニューがあり、同庁は個人向けには、10万人に対して20万円ずつを想定したというが、申請はその10分の1に近い。

背景には、コロナ禍に芸術団体が訴えてきた支援と、今回の事業の内容との微妙なズレがあるようだ。芸術家は、活動自粛期間の休業補償や赤字補填に類するものを望んでいたが、今回の支援は基本的に新たな活動の費用を対象にしている。しかし、仕事のない芸術家が、活動経費を要領よく計上できるものではない。次の活動に向けたレッスン費なども対象だが、こうした経費が発生する分野も限られる。

大半の個人の芸術家が、細かな制限の付された書類の読解に慣れていないという問題もある。文化庁が認めた業界団体から「確認番号」をもらえば手続きが容易になる仕組みだが、どの団体にも属さない芸術家も少なくない。

また「緊急支援」をしたい文化庁は、支援する活動の対象時期を基本的に10月末までとしたが「長期間仕事がなくて、本当に困っている人には、締め切りが早すぎる」との声もある。

すべてが日本の文化支援で初めての試みでもあり、ボタンの掛け違いは、慌てず時間をかけて調整していくべきだろう。文化庁は申請方法を説明する動画を作って周知に努め、9月に第3次募集を開始する。

(瀬崎久見子)

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