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日機装、逆風の航空部品手緩めず コロナ後成長見据え

新型コロナウイルスの影響で世界の旅客機需要が低迷する逆風の中、航空機部品製造の日機装が同事業の強化に動いている。「逆張り」のように見えるが、エンジン周りで世界シェア9割以上の部品も手掛けるなど実績の積み重ねが背景にある。2020年1~6月期の事業売上高は約4割減となったが、欧州エアバスの新型機開発にも参画するなど手を緩めない。

日機装が手掛ける航空機の主翼端に取り付ける部品「ウィングレット」は、燃費向上や騒音抑制の効果がある

日機装が作っているのは、主翼の端に取り付けられ空気抵抗を抑えて燃費向上などに役立つ「ウィングレット」や、ジェットエンジンの逆噴射の際に気流を制御する「カスケード」といった航空機部品だ。特にカスケードは炭素繊維強化プラスチックを用いて軽量化し機体性能を高めたことなどが評価され、世界の旅客機で90%以上という高いシェアを誇っている。

日機装は航空機のエンジン逆噴射装置の部品「カスケード」でいち早く炭素繊維強化プラスチックによる軽量化に取り組み、世界シェアは90%以上という

ただこれら航空機部品は大手サプライヤーからの受託製造が多く、日機装の売上高全体に占める割合は1割ほどにとどまる。主力事業は工業用ポンプや医療機器だ。1~6月期の航空機部品事業の売上高は37%減の54億円となり利益も落ち込んだが、医療機器が透析装置を中心に販売好調で補い、同社全体の連結営業利益は17%増となった。

航空機部品は7月以降の見通しを示す受注額も38%減となり、厳しい事業環境が続く。新型コロナ感染拡大による設備投資意欲の減退に加え、米ボーイングの「737MAX」の生産停止などが響いている。当面は好調な医療機器の増産体制を整え、収益の柱とする。

それでも航空機部品事業を育てる方針は変わらない。輸入ポンプの販売会社として1953年に創業してからポンプ製造、医療機器、そして航空機部品へと事業を多角化して経営を安定させてきたのが同社の歴史。また国際航空運送協会(IATA)が航空機需要は24年に回復すると予想するなど、中長期的にみて高い成長性は揺るがないと判断しているためだ。

期待をかけるのが、エアバスの次世代旅客機開発プロジェクトへの参画だ。ウィングレットやカスケードなどの製造実績が認められた結果で、これを契機にエアバスとの関係を深め、主翼などより多くの部品の製造受託につなげたい考え。

併せて事業拠点再編も進める。航空機部品は従来、東京都東村山市と金沢市、静岡県牧之原市の3拠点と宮崎市の子会社工場で作ってきたが、このうち東村山と静岡の生産を、21年までに宮崎へ移管する予定だ。生産性を高め、逆風をしのいだ後の再成長に備える。(加藤敦志)

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