もう一つの「その後」 作家 川上 弘美
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前回のこの欄で、語られたことの「その後」を想像することについて書いた。登場人物や作中の世界の「その後」である。
ところで、「その後」については、もう一種類あり、それは、自分自身の「その後」についてだ。自分の運命や行く末を予想する力はないが、今の自分は過去の自分にくらべて、どんなふうに変化したか、という意味での「その後」については、興味があるし、知りたくもある。
「変化」を知るには、本を読むことがい...
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