バリ島、外国人観光客の9月受け入れ再開を断念

【ジャカルタ=地曳航也】世界有数のリゾート地であるバリ島を抱えるインドネシアのバリ州政府は24日、予定していた9月11日からの外国人観光客の受け入れ再開を断念すると発表した。インドネシア政府が新型コロナウイルス対策として講じている外国人の原則入国禁止措置を緩和するメドが立たないためだ。
バリ州政府は声明で「国民に海外旅行を許可している国がなく、外国人観光客がバリを訪れるか見通せない」とも説明した。同州のコスター知事は7月、PCR検査でのコロナの陰性証明などを条件に外国人観光客の受け入れを再開する方針を示していた。一方、インドネシア政府内には感染を広げるリスクが残るとして慎重論があった。
同国中央統計局によると、2020年1~6月にバリ島を訪れた外国人観光客は前年同期に比べて63%減少した。インドネシア政府が4月から講じた外国人の入国禁止措置による影響が大きい。バリ州政府は「中央政府は20年末まで外国人観光客の入国を許可しないだろう」と指摘した。
バリ島の観光業は国・州双方の経済への貢献度が大きい。中央・州政府は国内の感染状況も見ながら外国人観光客の受け入れ再開のタイミングを探るとみられる。