米カリフォルニア、山火事で12万人避難 熱波で電力逼迫も

北米
2020/8/24 18:36
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【シリコンバレー=白石武志】米西部カリフォルニア州で山火事被害が広がっている。15日以降、落雷などで多数の大規模火災が同時発生し、これまでに約12万人が避難対象となった。厳しい熱波で電力供給が能力の限界に近づき、一部地域では停電も起きている。住民にとって新型コロナウイルスに重なる負担となっている。

カリフォルニア州では落雷が原因とみられる山火事が相次いでいる(21日、同州北部のボルダークリーク)=ロイター

気温上昇で大気の状態が不安定になった15日以降、州内で多数の落雷があった。州政府によると、落雷によるとみられる山火事が小規模なものを含めると600近く発生した。多くは鎮火したが、20を超える大規模火災は拡大が続いている。州の消防当局の集計では、15日以降の焼失面積は合計で3500平方キロメートルを超えた。

一連の山火事のうち、最大級のものはワイン産地として知られるナパ郡周辺で17日に発生した。焼失面積は23日夜の段階で1400平方キロメートルとなり、単独の山火事としては過去2番目の規模となった。

シリコンバレー地域の東側でも18日に山火事が発生した。山間部での消火活動は難航しており、2つの大型火災で鎮火できた面積は1、2割にとどまっている。24日以降も周辺では落雷が予想されており、消防当局は警戒を強めている。

同州は18日に州全域に非常事態を宣言し、住民らに各自治体の避難指示などに従うよう求めている。米トランプ大統領は22日、同州の要請に基づき、被害を受けた地域に対する連邦政府の復興支援を可能にする大規模災害宣言を承認した。

一方、熱波によって各家庭やオフィスでのエアコン利用が増え、州内では電力供給が逼迫するリスクも高まっている。州当局は住民らに電力需要がピークとなる午後3~10時の間はエアコンの設定温度を高めるなどの節電を呼びかけている。工場や港湾など大口需要家にも電力使用を抑えるよう要請している。

過去に起こした山火事の損害賠償を理由に2019年に経営破綻した州北部の電力・ガス大手PG&Eは再発防止のため、乾燥や強風などの気象条件が重なった地域では送配電網の稼働を一時的に止める方針を示している。今後も熱波が続いた場合、シリコンバレー周辺に集積するIT(情報技術)大手などの企業活動にも影響が出る恐れがある。

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