武田、大衆薬売却を正式発表 米ファンドに2420億円

2020/8/24 16:47
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武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」など一般用医薬品(大衆薬)事業を米投資ファンド大手ブラックストーン・グループに売却すると正式発表した。金額は2420億円で、売却予定日は2021年3月31日。アイルランド製薬大手シャイアー買収で膨らんだ負債を圧縮し、主力の医療用医薬品の新薬開発に経営資源を集中する。

武田薬品工業のロゴ

完全子会社の武田コンシューマーヘルスケア(東京・千代田)を売却する。武田のクリストフ・ウェバー社長は「大きな変革には痛みを伴うが、乗り越えなければ事業の持続的成長という未来を実現できない」とするコメントを発表した。24日午後5時半からオンラインで記者会見する。

武田コンシューマーヘルスケアは16年に武田から分社した。傘下に製造子会社を持つ。アリナミンや風邪薬「ベンザ」シリーズといった大衆薬のほか健康食品なども手掛けている。20年3月期の単体売上高は608億円、営業利益は128億円。従業員数は本体と子会社の合計で約500人。

ブラックストーンは武田コンシューマーヘルスケアの従業員の雇用を継続する意向だ。

英市場調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、武田コンシューマーヘルスケアの国内シェアは6位。19年の国内大衆薬市場は8738億円に上る。5年連続で増えてはいるが、人口減少による先細りが懸念されている。足元では新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってインバウンド(訪日外国人)の需要も減っている。

武田は収益性の高い医療用医薬品事業に力を入れている。大衆薬事業はアリナミンなどブランド力の強い製品を抱えるが、売上高全体に占める割合は数%にとどまる。売却はかねて課題だった。

武田は19年にシャイアーを買収し、足元の有利子負債の総額は約4兆8000億円に上る。債務返済に向けて計100億ドル(1兆600億円)規模の資産売却方針を打ち出し、これまでに公表ベースで計79億ドルの売却を決めている。

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