アルバックの20年6月期、コロナと中国事業で苦戦

2020/8/24 12:01
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半導体・ディスプレー製造のアルバックの2020年6月期の営業利益は前の期を33%下回る160億円だった。主力事業のフラットパネルディスプレー(FPD)製造装置が新型コロナウイルスの影響と中国市場の減速で苦戦した。一方で装置の立ち上げを遠隔支援するなどの工夫で、営業利益の半減を見込んでいた予想は上回った。

成膜装置が最先端の半導体製造工程に採用された

中国のディスプレーメーカーの設備投資が一服した影響で、売上高は前の期比16%減の1854億円だった。21年6月期もディスプレー装置市場は縮小が続くとみられ、売上高は1650億円まで縮小する見込みだ。

17年6月期に売上高が1100億円を超えるほど活況だったディスプレー向けの投資水準は、しばらく見込めそうにない。アルバックは組織変革や投資対象の絞り込みなどで利益率を改善し、苦境を乗り切る構えだ。

新たに発表した21年6月期から23年6月期までの新中期経営計画では利益改善とともに、今後の成長が期待できる半導体・電子部品向け製造装置にも力を入れることを打ち出した。21年6月期には同セグメントが全社の事業に占める割合が最も大きくなる見通しだ。

半導体では最先端の半導体製造工程にアルバックの成膜装置が採用されるなど、将来の収益源の開拓も進めている。高速通信規格「5G」向け通信部品でも製造装置の強みを生かせるとアルバックはみている。

岩下節生社長は「これから3年間、事業や組織、体質を変革する。私の使命は、まさにこの転換をなし遂げることだ」と語る。6年前から電子機器事業を改革し、コストを削減してきた。今後は成功体験を全社に広げ、収益力の底上げを狙う。

これらの取り組みで営業利益率を現在の8.6%から23年6月期に16%以上まで高めることが目標。半導体や電子部品の国産化を急ぐ中国市場にかける期待も大きい。

(佐藤雅哉)

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