コロナ感染の60歳以上割合、2週間で倍 重症も増加傾向

2020/8/21 21:34
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政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は21日、国内の感染者で中高年が占める割合が増加しているとの見解を示した。60歳以上の拡大が目立ち、大阪府などでは重症者数も増加傾向にある。分科会はワクチンも重症化リスクが高い高齢者らを優先して接種すべきだとの考えを示した。

分科会は3~5月の「第1波」に比べると病院や高齢者施設での感染流行は少ないものの、一部地域ではこうした施設での感染も散見されるとして注意を促している。

日本経済新聞が厚生労働省の資料をもとに年代別の新規感染者数を集計したところ、19日までの1週間は60歳以上が占める割合が22.3%と、前々週の12.2%からほぼ倍増した。一方、20~30代の占める割合は58%から42%に下がり、増加を続ける中高年層との差が鮮明になった。

高齢者は感染すると重症化するリスクが高いとされる。全国の重症者数は20日時点で237人となり、この1週間で16.7%増えた。

ただ、「第1波」と比べれば感染者に占める重症者の比率は低い。全国の新規感染者は19日までの1週間で7397人と前週より14%減っており、分科会も21日に「今回の感染拡大は7月下旬にピークに達したと考えられる」との見解をまとめた。

分科会は足元の発症日別の感染者数の推移や、1人の感染者が何人にうつしたかを示す実効再生産数を分析した。実効再生産数は東京、大阪、愛知、沖縄で7月末~8月初旬に1を下回り、減少局面に入ったと推定。全国では発症日のピークは7月27~29日ごろとした。

このまま収束するかは予断を許さないとした。分科会メンバーの脇田隆字・国立感染症研究所長は「お盆は人の移動があり、大阪や愛知、福岡では重症者も増加傾向にある。3密を避けるなど基本的な感染対策を実施してほしい」と呼びかけた。

分科会はこの日、開発中のワクチンの優先接種の対象も議論した。医療従事者に加え、高齢者や持病のある人も優先的に接種すべきだとの考えを示した。

医療従事者と同様に感染者と接する機会の多い救急隊員や保健所の職員も優先接種の対象とするかは今後も議論が必要とした。妊婦は副作用の影響などがはっきりしておらず、今後出てくるデータを踏まえて検討するとした。高齢者施設の職員も検討事項とした。

ワクチンを巡って日本政府は米ファイザーや英アストラゼネカとそれぞれ1億2千万回分の供給を受けることで基本合意している。2021年初めから順次供給が始まる見通し。

ファイザーのワクチンは1人2回の接種が必要となる見込みで6千万人分となる。アストラゼネカのワクチンは接種回数が決まっていない。米バイオベンチャーのモデルナとも交渉を進めている。

国内の製薬会社では塩野義製薬アンジェスが開発を進めており、政府は支援策として研究開発段階でも生産体制の整備に向けた投資を補助する。

現在開発中のワクチンは極めて新規性が高い技術が用いられており、重篤な副反応が起こる可能性も否定できない。分科会の尾身茂会長は「副反応については適切な情報発信を行う必要がある。接種にあたっても安全性の監視を強化して進める必要がある」と強調した。

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