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熱中症増加、医療現場を圧迫 新型コロナと似た症状も

熱中症警戒アラートの発表を伝える東京・渋谷の大型ビジョン(18日)=共同

猛暑が続く中、熱中症の疑いがある救急患者の増加が、新型コロナウイルス患者を受け入れる医療現場を圧迫している。発熱などの初期症状が似ているためで、医療スタッフは防護服を着るなど細心の注意が必要となる。救急の現場からは新型コロナかどうかを早く診断できる体制作りを求める声があがっている。

60床のコロナ対応病床を置く多摩総合医療センター(東京都府中市)では8月中旬、1日に10人近くの熱中症を疑う救急患者が搬送された。医療スタッフらは防護服やゴーグルを身につけ、新型コロナに感染している可能性を踏まえて診療にあたった。

熱中症は発熱や倦怠(けんたい)感など初期症状が新型コロナと似ている。清水敬樹・救命救急センター部長は「検査をしなければ識別は不可能。誰もが熱中症だと思っていても、もしかしたら(コロナに)感染しているかもしれない。現場は気を抜けない」と話す。

松江市の立正大淞南高校では8月5日、男子サッカー部員が発熱し、学校側は熱中症と誤判断。PCR検査を受けるのが遅れるなか感染が拡大した。生徒らが寮生活していたこともあって、最終的に関係者も含めて100人以上が感染した。

サッカーJ1のサガン鳥栖でも8月上旬に監督が発熱した際、医療スタッフが熱中症を念頭に点滴を助言したという。その後、検査をして陽性が判明したが、すでに感染は選手ら12人に広がっていた。

多摩総合医療センターでは熱中症の症状で搬送された患者は原則、PCR検査を受ける。検査結果が出るまではコロナの疑いが残るため、コロナ対応の病床を使って入院することになるという。

東京都医師会の猪口正孝副会長は都庁で開かれた会議で「熱中症患者と区別がつかないから、なかなか一般の医療機関で受けられず、救急を圧迫していく可能性がある」と指摘した。

東京消防庁によると、8月13~19日の1週間に熱中症の疑いで救急搬送されたのは1533件あった。この間、受け入れ先が20分以上決まらなかったり、5つ以上の医療機関から断られたりしたケースは1日あたり74件あった。都担当者は「これまで熱中症患者を受け入れていた病院でもコロナの可能性があれば救急搬送を断らざるを得ないという状況がある」と明かす。

日本救急医学会の嶋津岳士代表理事は「検査をしなければ陽性かどうかは断定できないが、熱中症の患者がコロナ病床に滞留しないようPCR検査の結果が迅速に出る体制を整える必要がある」と話した。

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