19年の水害被害2.1兆円、統計上最悪 台風19号が大半
2019年に起きた水害による住宅、インフラなどの被害額は2兆1476億円(暫定値)だったことが21日、国土交通省のまとめで分かった。1961年の統計開始以降、最悪。台風19号(東日本台風)の被害が1兆8600億円と大半を占め、個別の水害として過去最大の規模だった。
住宅や農作物などの一般資産が全体の74%に当たる1兆5939億円。次いで道路や河川堤防などの公共土木施設5233億円、鉄道や水道といった公益事業が304億円だった。
全半壊や床上、床下浸水など被災した建物は9万9千棟に上る。浸水面積は約8万700ヘクタールで、70%超は農地だった。
都道府県別で被害額が最も大きかったのは福島の6716億円で、栃木2547億円、宮城2512億円が続いた。上位3県と群馬、埼玉、千葉、神奈川、長野、佐賀の6県の被害額はこれまでで最大だった。
台風19号では、東北や関東甲信などで記録的大雨となり、142カ所の堤防が決壊し、広い範囲で浸水。土砂災害も950件を超え、新幹線の車両基地が水に漬かる被害も起きた。九州北部、山口県を中心とする8月の豪雨被害額は約880億円だった。
水害被害額は都道府県からの報告を基に算出。津波や高潮も含むが、11年の東日本大震災の津波被害は規模が甚大で、統計に含まれていない。〔共同〕