新潮社、浦和一女高生の「生の声」を新刊販促に活用

2020/8/21 19:24
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大手出版社の新潮社は、埼玉県の進学校である県立浦和第一女子高校(さいたま市)の生徒に新刊の試し読みをしてもらい、生徒の「生の声」を販売促進活動に活用する試みを始めた。生徒と出版社による、新たな読書機会を生み出すユニークな試みとして注目されそうだ。

浦和一女生の感想が書店でも掲示された(さいたま市浦和区の須原屋コルソ店)

対象となったのは「バッテリー」などの作品で知られる作家、あさのあつこさんの新刊「ハリネズミは月を見上げる」。2人の高校生を軸にした青春小説だ。新潮社が本になる前段階のゲラを生徒30人に試し読み目的で配布したところ、生徒全員から「一気読みをしてしまいました」「リアルな高校生の感情を丁寧に書き出した、すてきな作品だと思います」などの感想が寄せられた。読書後のアンケートに対しては、93%の生徒が「作品を気に入った」と答えたという。

同校が新型コロナウイルスの影響で休校中だった5月下旬、同校の図書館司書で高校生の読書推進活動に熱心な木下通子さんが「生徒に新たな読書機会を与えたい」と新潮社に試し読みの企画を持ちかけ、高校生にふさわしい本としてあさのさんの本が選ばれた。

新潮社は学校側の了解を得て、8月19日の新刊発売に合わせて生徒の感想を新刊の販促に活用。県内外の約60の書店の宣伝パネルに生徒の声を掲示したほか、本の帯にもアンケート結果を掲載した。

新型コロナの影響で販促活動が制限され、「新様式」による書籍の売り方を模索してきた新潮社と、新たな読書機会を作りたい学校側のニーズが合致した格好だ。木下さんは「新しい図書館利用者の開拓につながる素晴らしいチャレンジになった」とコメント。新潮社の担当者は「ぜひ第2弾以降の企画も考えたい」としている。

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