阿武隈川の遊水地、福島県南3町村に 水害再発防ぐ

2020/8/21 18:50
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2019年10月の台風19号で大規模な水害が起きた阿武隈川の治水事業を進める国土交通省は、増水時に水位を下げるため一時的に水を逃がす遊水地について福島県南部の矢吹町、鏡石町、玉川村の一帯に整備する方針を決めた。川底の掘削なども進めて水害の再発防止を目指す。

台風19号で増水した阿武隈川(2019年10月13日、福島県郡山市)

3つの自治体はいずれも阿武隈川沿いにあり、相互に隣接している。川沿いの農地などの低地では豪雨のたびに浸水が起き、台風19号でも大規模な水害が発生した。

国交省はこれらの低地が遊水地の候補になると考え、地元住民への説明会を始めた。調査の結果によって変わる可能性があるが、3つの自治体に1つずつ核となる遊水地をつくる案が有力だ。土地を買収するか、賃借するかは未定。

また公園などとして平常時も利用するか、遊水地専用の地域とするかも今後詰める。

遊水地群の貯水量は合計で約900万立方メートルと既存の福島県須賀川市の浜尾遊水地(約230万立方メートル)の約4倍を想定している。28年度中までの供用開始を目指す。

阿武隈川は福島県南端の白河地方の山間部に降った雨が集まり本流を形成し、福島県の中通りや宮城県の仙台平野の支流を集めて太平洋に注ぐ。

台風19号では須賀川市、郡山市、本宮市など福島県の中央部で深刻な水害が発生した。このため、これらの地域上流で水量を制御するうえで遊水地をつくる必要があると指摘されている。また阿武隈川の上流部は傾斜が緩くダムを造りにくいことも遊水地に頼らざるをえない事情となっている。

治水事業を強化するため7月、阿武隈川上流部の5.6キロメートルの管理権が福島県から国に移管された。

国交省は川底などに堆積した土砂の掘削も進め、水の流れをよくする。一連の対策で「180年に1回」とされる台風19号並みの豪雨でも水害を防げる計算という。

国と県は阿武隈川水系の緊急治水対策として10年間で約1840億円を投じる計画。「平成の大改修」と呼ばれた治水事業の約800億円を大きく上回る。

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