コロナ下で短い夏休み、宿題異変 自由研究希望者のみ

2020/8/21 17:34 (2020/8/21 17:49更新)
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新型コロナウイルスの感染拡大による休校の影響で、いつもより短い異例の夏休みが終わろうとしている。子どもたちの負担を減らすため、読書感想文や自由研究などの恒例の宿題を希望者だけにする学校が目立つ。保護者の一部からは歓迎の声が上がる一方、読書感想文などコンクール関係者は応募数の減少を心配している。

「読書感想文や自由研究は希望者だけと学校が柔軟に判断してくれた」。東京都豊島区の公立小に息子が通う会社員の女性(37)はそう話す。配布物には「新型コロナで1学期は大変だった分、勉強よりも体調管理を心がけて」などの言葉もあり、親子でゆっくり夏休みを過ごせたという。

千葉県松戸市の会社員の女性(36)は「読書感想文や自由研究のサポートは共働き家庭には大きな負担だったので、今年はなくて助かった」と話す。息子が通う公立小の夏休みは約20日で宿題は算数などのプリントのみ。「悩みの種だった」という絵日記もなかった。

文部科学省によると、6月時点で、新型コロナのため公立小中高校などを休校とした全国約1800の教育委員会のうち、95%が夏休みを短縮すると回答した。期間は小中学校では16日間や23日間が多く、東京都内の小学校の多くは8月24日や25日から再開する。

短い夏休みに対応し宿題を減らす学校も目立った。さいたま市のある市立小は宿題を1科目のみに絞った。図工の作品や作文の提出は自由とし、締め切り日は学校再開後まで延長したという。

ただ、夏休み短縮の余波は読書感想文や自由研究などのコンクールの応募状況に及んでいる。

東京都葛飾区では毎年、区内の公立小中学校の全児童生徒に夏休みの宿題として読書感想文の応募を求めており、2019年は約2万3千点から入選者を決めて表彰した。今年は各校の任意に変更。区の担当者は「応募数が極端に少なければ審査が成り立たないかもしれない」と話す。

一般財団法人「理数教育研究所」(大阪市)は算数や数学に関する自由研究の作品コンクールを9月上旬まで募る。8回目で例年1万件を超える応募があるが、担当者は「応募件数が減るのは間違いなく、受賞作のレベルが下がらなければいいが……」と気をもむ。

一方で自由研究などに取り組めば子どもの探究心が育つという声もあり、コロナ下に対応した学びの機会を提供する動きが出ている。

「画像が見えましたか」。8月20日、大阪市立科学館(北区)で学芸員の渡部義弥さん(52)が開いた小中学生向けのオンライン講座。現在のカメラの原型となる「カメラ・オブスクラ」を厚紙やポリ袋などを使って制作した。小学生9人はパソコン越しに積極的に質問し、見よう見まねで完成させると「楽しかった」と笑顔を見せた。

同科学館は今夏、通常の講座を中止してオンライン講座を初開催した。渡部さんは「コロナ下で自然科学への探究心が失われることがあってはならない。子どもたちには好奇心を持ち続けてほしい」と話す。

静岡市の「静岡科学館る・く・る」が7~8月に開いた自由研究の個別相談会には例年とほぼ同数の予約があり、「宿題ではないが、今年も研究する」といった子どもたちが来館した。

同館エデュケータの坂田尚子さんは「自由研究は自分の疑問を解決する貴重な経験だ。決まった手順で学ぶ学校の授業とは違い、自由に考える謎解きの楽しさがある」と話している。

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