フラクタ、AIで水処理のコスト削減 栗田工業と
人工知能(AI)スタートアップの米フラクタは、工場などの水処理のコストを削減する技術を開発すると発表した。AIで水処理装置の最適なメンテナンス時期を見極めたり、性能を低下させる不具合を予測したりする。フラクタの親会社である栗田工業の技術やノウハウと組み合わせ、2021年度中の実用化を目指す。社会問題である水不足の解消に役立てる。
栗田工業は工業用水などを処理して純度の高い水を作る事業を手がける。フラクタが5月に設立した子会社のフラクタリープ(東京・新宿)が栗田工業と共同で水処理を効率化する製品を開発する。AIを使って消費電力などを減らし、2~4割のコスト削減をめざす。新会社は数年内にAI関連の技術者だけで30~40人の規模にしたい考えだ。
フラクタは起業家の加藤崇氏が15年に米国で設立し、栗田工業が18年に株式の過半数を取得した。フラクタはAIを使った水道管の劣化予測サービスを米国で63の水道事業者に提供している。日本にも以前から拠点があったが、水道管事業の販売やマーケティングの役割に特化していた。新会社の設立で水処理の技術開発に乗り出し、栗田工業との相乗効果を引き出す。
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