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7月の首都圏マンション発売戸数、11カ月ぶり前年超え

不動産経済研究所が20日に発表した7月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数は前年同月比7.8%増の2083戸だった。11カ月ぶりに前年実績を超え、底入れの気配も出てきた。不動産各社は過去最少だった上期(1~6月)からの挽回を目指すが、顧客の需要動向には変化の兆しがみられる。

首都圏近郊や郊外が人気だ(ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ)

「想定以上の数字だった」。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は7月の供給動向を、こう総括する。昨年が大幅減だった反動もあるが、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、購入意欲の強い顧客に向けて供給が増えた。前年を上回るのは2019年8月以来となる。4月や5月の発売戸数は前年を5~8割下回っていたが、やや風向きが変わったようにも感じられる。

地域別では東京23区は19.3%減ったが神奈川県は53.5%増え、埼玉県も42.9%増加した。23区内の販売価格は高止まりしており、結果的に郊外にあるマンションの人気が高まっている。

今後の注目点は秋商戦だ。不動産各社はコロナ禍の春商戦で売り出せなかった物件を含めて挽回に動くが、気になるデータも出始めている。

中古マンションの情報サービスを手掛けるハウスマート(東京・中央)は5月から7月にかけて、運営アプリに登録した約5千人にアンケートを実施した。30~40代のファミリー層を中心にマンション購入で重視する点を聞くと、19年には24.2%だった「駅との距離」が14.8%に減った。一方で「広さ」を挙げた割合は26%から28.9%へと約3ポイント増加した。

希望エリアについては「決まっている」との回答が36.8%で、昨年から10ポイント増えた。「特になし」が約8ポイント、「職場の近く」が約2ポイント減ったのとは対照的だ。針山昌幸社長は「テレワークの普及で働き方が変わり、駅からやや遠くても広さを重視する人が増えたためだ」と分析している。

アンケートは中古マンションが対象だが、多くの人は新築マンションも同時に探している。最近問い合わせが増えている街は有明だ。価格が豊洲より安いうえに「商業施設の開業などで、資産価値の将来性が意識されている」(針山氏)。

首都圏近郊や郊外に目を向ける動きも強まってきた。不動産助言会社トータルブレイン(東京・港)が不動産各社に調査した上期のマンション販売状況では神奈川県や埼玉県、千葉県で「好調」の割合が大幅に増えた。杉原禎之取締役は「都心の価格上昇について行けない顧客を中心に、郊外でも駅に近く割安感のある家族向け物件が人気になっている」と話す。

同社によれば、20年上期に供給された首都圏の総物件数は158件。昨年と比べて約100件減っている。新型コロナで売り出せなかったためで「秋商戦を含めて下期に出てくる」(杉原氏)見込み。新型コロナの収束時期が見通せない状況で、顧客はどんなマンションを求めるのか。不動産各社の販売戦略が問われている。

(原欣宏)

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