犠牲者悼み、思い新たに 広島土砂災害から6年
コロナで式典縮小も

2020/8/20 11:05 (2020/8/20 11:40更新)
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広島市安佐南区で土砂災害の慰霊碑に献花する松井一実市長(右、20日午前)=共同

広島市安佐南区で土砂災害の慰霊碑に献花する松井一実市長(右、20日午前)=共同

77人が死亡した2014年の広島土砂災害から6年となる20日、広島市内の被災地で住民らによる慰霊祭が開かれ、参列者は犠牲者を悼み、防災への思いを新たにした。新型コロナウイルスの感染防止のため、追悼行事の規模を縮小するなどして密集を避けた。

被害が大きかった広島市安佐北区と安佐南区の各地で献花台が設置された。災害当時は避難場所となり、慰霊碑がある安佐南区の梅林小では広島市の松井一実市長が午前9時ごろ献花。地元自主防災会の菅原辰幸会長があいさつし「復旧、復興が進んでいる。これからも課題を乗り越え、安心して住み続けられる町づくりに取り組みたい」と述べた。友人が亡くなった松野宏子さん(76)は「二度とこんなことが起きないようにと思いながら祈った」と語った。

妹夫妻を亡くした奈良市の古田美恵子さん(68)は「今も妹が亡くなった感じがしない。この災害のことを忘れないでほしい」と話した。

安佐北区の献花式には住民ら約30人が参列した。「今も夫が近くにいるような気がする」。夫の敏治さん(当時74)と自身の左脚を失った宮本孝子さん(80)は遺族代表として参加し「災害が起こることは止められない。自ら助かる方法を考えてほしい」と訴えた。

安佐南区八木3の慰霊碑では、災害が起きたとみられる午前2時半ごろ、新婚の娘夫婦を亡くした若松順二さん(57)=香川県東かがわ市=が手を合わせた。碑には娘の湯浅みなみさん(当時28)の名前が刻まれている。「会いたい気持ちはずっとある。足腰が立つ間は慰霊碑に来たい」。例年は妻、直美さん(58)も一緒だが、今年は新型コロナの影響で見送った。

慰霊碑の周辺には灯籠が並び、近くの砂防ダムでは壁面をスクリーンにして「忘れまい」「伝える」などのメッセージが映し出された。地元の町内会長、財原一夫さん(72)は「亡くなった人の無念さを胸に、これからも伝えていく」と話した。

土砂災害は14年8月20日未明、短時間の局地的な豪雨によって発生。土砂崩れなどで約400棟が全半壊し、74人が死亡、3人が災害関連死と認定された。被災翌年から広島県と広島市が主催していた追悼式は17年で終了し、現在は住民主催の行事が営まれている。〔共同〕

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