サウジ外相、パレスチナ和平優先を表明 イスラエル巡り

中東・アフリカ
2020/8/20 0:33
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【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアのファイサル外相は19日、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が国交正常化で合意したことについて、サウジは「従来のアラブ和平構想の立場を維持する」と述べた。アラブ世界の事実上のリーダーであるサウジがUAEの外交とは一線を画し、パレスチナ問題を棚上げにして国交を正常化する考えはないとの立場を示した。

ドイツを訪問し、マース外相(右)と会談したサウジアラビアのファイサル外相=AP

訪問先のドイツでの発言として、サウジ外務省がツイッターで公表した。今回のイスラエルとの国交正常化をめぐりサウジが見解を示すのは初めてとみられる。

「アラブ和平構想」は、2002年、皇太子だったアブドラ前サウジ国王が示した和平の提案だ。イスラエルに1967年の第3次中東戦争で占領したパレスチナの地から全面撤退することを、アラブ諸国の和平の条件とした。現在の和平交渉はこの提案が出発点になっている。

ファイサル外相は一方で「イスラエルによる一方的な併合や入植活動は違法だ」と指摘。UAEとの国交正常化にともない、計画していたヨルダン川西岸のパレスチナ自治区にあるユダヤ人入植地の併合をひとまず回避したことを「前向きの動き」と評価した。間接的な表現でUAEの外交を歓迎したものとみられる。

アラブ諸国とイスラエルは、イランやイスラム過激派という「共通の敵」に直面するなか、近年は雪解けの動きが目立つ。パレスチナでは、アラブ諸国や国際社会に「置き去り」にされる懸念が強まった。

イスラエルとUAEの国交正常化の合意をめぐってはエジプトやバーレーンが歓迎の意向を示したが、サウジは沈黙を続けていた。パレスチナ自治政府はUAEの動きを「裏切り行為だ」と批判した。

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