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Amazon、日本でMaaS市場を本格開拓へ

米アマゾン・ドット・コムの子会社でクラウドサービスを手掛けるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)日本法人は19日、次世代移動サービス「MaaS」(モビリティー・アズ・ア・サービス)を展開する日本の事業者への提案を本格的に始めると発表した。MaaSシステムの基盤を短期間で築けるように支援し、クラウド「AWS」の事業拡大につなげる。

鉄道会社やタクシー会社といったMaaSの提供を検討する事業者に、AWSでMaaS用のシステム基盤を構築するための「ひな型」を年内に提供する。ひな型を参考にしてAWSの各種サービスを組み合わせれば、ゼロからの検討と比べて大幅に短期間で基盤を構築できるという。

MaaSでは複数の交通手段を組み合わせ、最適経路で顧客が移動できるようにする。ルート提案のために大容量のデータを収集・分析し、複数の公共交通機関が連携する必要がある。このため拡張性に優れたシステム基盤が求められる。

AWSには主なものだけで170種類以上のサービスがある。使い慣れない企業はMaaSのシステムを構築するためにどのサービスを組み合わせるべきか見極めにくく、必要なデータ処理能力の見積もりも難しい。

AWS日本法人はひな型を用意して企業の検討の手間を省き、クラウドの利用を促す。MaaS事業者の活用が進めば進むほどAWSは売り上げの拡大が見込める。

MaaS関連システムのひな型はこれまで、コネクテッドカー(つながるクルマ)向けに限って用意していた。今後公開するひな型は自動車だけでなく、多様な移動手段を想定したものにする。

国内では日本マイクロソフトもMaaS用システム基盤のひな型を公開している。AWS日本法人の岡崎禎技術統括本部長執行役員は「当社はMaaSに必要な機能を網羅するのにとどまらず、扱うデータが量が大きくなっても安定運用できる」と語った。

さらにAWS日本法人は、小田急電鉄が19年から手掛けるMaaSのスマートフォンアプリ「EMot(エモット)」のシステム基盤にもAWSが採用されていることを明らかにした。説明会に同席した小田急電鉄の西村潤也次世代モビリティチーム統括リーダーは、アプリの電子チケット機能などを披露した。

利用客は複数の移動手段を利用できる電子チケットをいつでもスマホで購入できる。さらに足元の新型コロナウイルス禍では「チケット購入に伴う売り場での密集や密接を避けられる安心も提供できる」と強調した。

新型コロナは最適な移動を実現するMaaSも急ブレーキをかけた。顧客の移動自体が減り、全国各地の実証実験などが停滞している。

それでも人々の移動情報などビッグデータを生かすMaaSは「安心して移動できる」というウィズコロナ時代の付加価値を実現する余地がある。AWSは将来にわたって需要の拡大が見込めると判断し、MaaS事業者の獲得にアクセルを踏むことを決めた。

(島津忠承)

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