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バイデン氏「一枚岩」演出 米民主が大統領候補指名

米大統領選で民主党候補の指名を受けてバイデン前副大統領とジル夫人は喜びをあらわにした=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米民主党は18日の全国大会で、大統領候補に中道のジョー・バイデン前副大統領(77)を正式に指名した。左派との政策面の違いは脇に置き、打倒トランプ大統領に向け一枚岩の演出に努めた。挙党態勢を構築するため「調整型」のバイデン氏の政治手腕が試される。

新型コロナウイルスの影響で主な関係者がオンラインを通じた参加となった今回の党大会。バイデン氏の指名手続きは各州の代議員があらかじめ録画した動画を通じて結果を伝えるだけで淡々と進んだ。ジル・バイデン夫人は「ジョー(・バイデン氏)は私たちを結束させて前に導いてくれる」と支持を呼びかけた。

今回は波乱なしの指名だったが、2016年の党大会は違った。ヒラリー・クリントン元国務長官が候補に指名されると、広い会場内にブーイングや抗議の声がこだました。左派のサンダース上院議員を支持した代議員が退場し、別の場所で抗議の座り込みをするなど深刻な亀裂を露呈した。

選挙アナリストのチャーリー・クック氏は「クリントン氏は大統領夫人時代からの四半世紀の積み重ねが重荷になった」と指摘する。上院議員や国務長官など日の当たるポストを歴任し、初の女性大統領候補を射止めたクリントン氏への世論の風当たりは強かった。女性の活躍を阻む「ガラスの天井」と呼ばれる偏見もあった。

バイデン氏も政界経験は長いが、好感度はクリントン氏より高い。16年6月当時の米NBCテレビの世論調査では、クリントン氏を「好ましい」と答えた割合は33%にとどまり「好ましくない」は55%にのぼった。一方、バイデン氏は「好ましい」が37%、「好ましくない」が38%とほぼ拮抗する。

バイデン氏はサンダース氏が唱えた最低賃金引き上げなどの公約を政策綱領に取り込み、左派との路線対立の修復を図る。ただ急進左派の間にはなお国民皆保険などの実現が綱領に反映されていないとの不満がくすぶる。

サンダース氏に近い若手代表格のオカシオコルテス下院議員は18日の演説で「米国は危機への根本的な解決策を探している」と左派政策の必要性を改めて主張した。別の若手議員も「残念ながらこの案は不十分だ」とツイッターに書き込み、政策綱領に反対票を投じたことを明らかにした。

党内の亀裂を埋める手立てが求められるなか、「調整型」として知られるバイデン氏の政治手腕が問われる。共和党関係者は「法案成立のため超党派で取り組める議員だった」と話す。バイデン氏は共和党のブッシュ(子)政権が進めたイラク戦争の承認に賛成票を投じるなど、党派を超えた人脈を築いた。

18日の党大会ではパウエル元国務長官やヘーゲル元国防長官、マケイン元上院議員(故人)といった共和党の重鎮が次々と映像に登場し、バイデン氏との交流などを紹介した。トランプ氏に不満を持つ共和党支持層も切り崩し、幅広い層の取り込みを図る。

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