たん吸引器配備の請求棄却 医療的ケア児訴訟、名古屋

社会・くらし
2020/8/19 16:55 (2020/8/19 21:23更新)
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日常的に医療行為の援助が欠かせない「医療的ケア児」に当たる愛知県内の男子中学生と両親が、以前通っていた公立小学校で必要なたんの吸引器を配備せず、毎日親に持参させたことなどが障害者差別に当たるとして、慰謝料計約330万円の支払いなどを地元自治体に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は19日、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

角谷昌毅裁判長は判決理由で「医療的ケアを必要とする児童生徒の教育を受ける権利は、保護者の一定の負担の下で実現する」と指摘。「保護者には子どもに教育を受けさせる義務があり、器具も2キロ程度と負担が過大ではないことからすれば、一定の助力を求めることも不合理とは言えない」とした。

学校側は校外学習に親の付き添いを要求し、水泳の授業に参加させなかったことも差別だと原告側は訴えたが「校長らが裁量権の範囲を逸脱しているとは言えない」と退けた。

被告自治体は「主張が認められたと認識している。引き続き適切に対応していく」とコメントした。

判決などによると、男子中学生は気道を確保するチューブを喉に挿入しており、1日に数回吸引器でたんを取り除く必要がある。両親は小学校入学時から5年生の11月まで毎日器具を持参、以降は自分たちで用意した器具を学校に置いている。

原告側は「器具の配備を保護者に要求することは他の児童生徒にはない条件を付すもので、障害を理由とする不当な差別にほかならない」として、自治体などに「合理的配慮」を義務付けた障害者差別解消法に違反すると訴え、現在通う公立中への配備も求めていた。

被告側は、同法は自治体に対して具体的な請求をしているものではないなどと反論していた。

〔共同〕

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