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札幌のオフィス、空室率上昇 在宅勤務拡大で

データ解読

札幌市中心部のオフィス空室率が上昇傾向だ。仲介大手の三幸エステート(東京・中央)によると、空室率は4月以降、上昇が続き、7月は3.08%と新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻った。在宅勤務の広がりや景気の不透明感から、オフィス縮小などの動きが出ている。

札幌市のオフィス空室率は3月まで5カ月連続で統計開始以来の最低値を更新したが、その後は上昇。新型コロナ感染拡大前の2019年12月の水準に戻った。緊急事態宣言解除後、停滞していたオフィス市場は動き出しているが、1年前に比べオフィス拡張などの需要は弱い。

景気の不透明感から移転計画を保留する企業も多い。同市内の通信サービス企業は在宅勤務の導入により、当初予定していた大規模ビルへの移転計画を取りやめた。コールセンターも21年に市内の大規模ビルに拡張する予定だったが、計画を保留にした。

三幸エステートの滝口恵貴札幌支店長は「札幌市の空室率はここ1年ほど歴史的に低かった。これ以上低くなることは考えにくい」と指摘。今後も上昇傾向が続きそうだ。

一方、同市の大規模ビル(200坪以上)の空室率は全国の六大都市で東京に次ぐ低さ。7月末時点で東京23区は0.9%で、札幌市は1.1%。続いて福岡市(1.3%)、名古屋市(1.4%)、大阪市(1.5%)、仙台市(3.8%)の順だった。

ただ、札幌市内では18年5月に複合ビル「さっぽろ創世スクエア」や、20年3月に「大同生命札幌ビル」などが完成。市中心部では23年までに大規模ビル5棟が開業する予定で、今後も供給が増える見通しだ。このため、空室率は上昇する可能性もある。

これまで上昇傾向だった平均賃料も下落に転じた。札幌市の7月の平均募集賃料は前の月から210円下がり、1坪(3.3平方メートル)当たり9653円だった。これまで賃料は上昇傾向が続き、大規模ビルの賃料は仙台市を上回る水準だったが、新型コロナの影響で2カ月連続で下落。今後も空室率の上昇に伴い、賃料も下落するとみられる。

30年の北海道新幹線の札幌延伸に向け、JR北海道が札幌駅南口に高さ最大255メートル級の複合ビルの建設を予定するなど、再開発によるオフィス供給増は続く。オフィス需要の低迷が長引くと、需給バランスが一段と崩れる可能性もある。(久貝翔子)

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