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上場企業の純利益57%減 4~6月、製造業は85%減

上場企業の2020年4~6月期決算がほぼ出そろった。純利益の合計額は4兆575億円と前年同期に比べて57%減少し、7四半期連続で前年同期を下回った。赤字だった1~3月期よりは改善したが、新型コロナウイルスのまん延に伴う世界経済の停滞から自動車や空運、鉄道など運輸関連を中心に幅広い業種で業績が悪化した。

日本経済新聞社が14日までに発表を終えた主要1703社を対象に集計した。合計の売上高は前年同期比18%減の126兆1409億円と、12年10~12月期以来の低水準となった。世界でコロナ禍が猛威をふるい生産活動や設備投資が縮小、個人消費も低迷した。社数ベースで約7割の企業の最終損益が悪化した。

海外の経済動向に左右されやすい製造業は、減益率が85%。非製造業の42%よりもきつい。製造業は全17業種中14業種が減益または赤字だった。

「自動車」も赤字に転落し、損益悪化額は全業種の中で最大。企業ごとにみても損益悪化額のワースト3社はトヨタ自動車日産自動車ホンダだった。トヨタの純利益は74%減。原価低減などで黒字を確保したがグループ世界販売台数が約3割落ち込んだ。日産自動車は2855億円の最終赤字。米国での販売不振に加え、「工場の稼働率も低下した」(内田誠社長兼最高経営責任者)。

「機械」の減益率は98%。産業用ロボットに使われる空気圧機器を造るSMCは、自動車向けなどが振るわず純利益は14%減った。三菱重工業など重工大手3社も赤字転落・拡大だった。航空各社の運休に伴い航空エンジン事業が低迷し「ほとんど収入がとれなかった」(川崎重工業の山本克也副社長)。

「鉄鋼」も製造業の生産低迷で鋼材需要が減少した。高炉を一時休止し、日本製鉄JFEホールディングスは大幅赤字だった。「リーマン・ショック時より厳しいと認識している」(日本製鉄の宮本勝弘副社長)

資源・原料価格の下落も打撃となった。「化学」はナフサの国産価格が4~6月平均で4割強下がり、採算が悪化。旭化成三菱ケミカルホールディングスが大幅減益だった。ENEOSホールディングスなど「石油」は原油安を受けた在庫の評価損が響いた。

非製造業では「空運」と「鉄道」の業績悪化が鮮明だった。日本航空(JAL)とANAホールディングスは合わせて約2000億円の最終赤字だった。乗客数が大きく減り、航空券の払い戻しも重荷となった。鉄道の利用客も激減し、JR東日本JR東海も大幅赤字に転落。大手私鉄もそろって赤字になった。

「商社」も苦戦した。三菱商事はオーストラリアの原料炭事業の需要低迷に加え、天然ガス事業が資源安で打撃を受けて大幅減益。住友商事は、海外のニッケル鉱山プロジェクトの操業停止が続き、550億円の減損損失を計上した。

好業績企業もある。次世代通信規格「5G」の本格化に伴い、半導体製造装置の東京エレクトロンやディスコが好調。コロナ下の「巣ごもり」に伴うゲーム需要拡大を受け、任天堂スクウェア・エニックス・ホールディングスは増益だった。

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