パラ後の晴れ舞台で金を 聴覚障害者陸上の岡田選手

2020/8/17 13:37
保存
共有
印刷
その他

来年8月に開幕する障害者スポーツの祭典、パラリンピックには耳が聞こえない選手の競技がない。世界中の聴覚障害選手が目指す晴れ舞台は「デフリンピック」。東京パラの約3カ月後にブラジルで開催される次回大会で、陸上女子800メートルと1500メートルの日本ろう記録を持つ岡田海緒さん(23)=三菱UFJリサーチ&コンサルティング=は金メダルを狙う。

2017年デフリンピックの陸上女子800メートルに出場した岡田海緒(ゼッケン181番、トルコ・サムスン)=共同

2017年デフリンピックの陸上女子800メートルに出場した岡田海緒(ゼッケン181番、トルコ・サムスン)=共同

生まれつき聴覚障害があり「ジェット機のエンジン音が間近でやっと聞こえるレベル」という。ともにろう者で、陸上選手だった両親の影響で高校から本格的に始めた。「前にいる選手の背中の動きやピッチを見ている」と、視覚の情報を頼りにレースを運ぶ。

2017年の前回デフリンピック(トルコ)は初出場ながら800メートルで6位、1500メートルで7位と健闘。昨年の世界ろう者室内選手権(エストニア)では1500メートルで銀メダルに輝き、日本選手団でただ一人、表彰台に上った。

日本女子体育大時には参加標準記録を突破して関東学生対校選手権に出場した。スタート位置にピストルと連動して点灯するランプが設置され、他選手と同時に出走。箱根駅伝で活躍する選手も参加するハイレベルな舞台で力を試し「大勢の方がわたしのために応援してくれてうれしかった」と充実感を味わった。

東京都が3月に発表した調査結果では、都民への認知度がパラリンピックは95.1%と高い一方、デフリンピックはわずか5.2%。聴覚障害の選手はスポンサーを見つけにくく、多くが遠征費などの工面に苦労する。

来年は延期された東京パラとデフリンピックの間隔が短くなったことで、障害者スポーツの盛り上がりを受け継ぐ期待が高い。岡田さんは「自己満足で終わらないように、デフの存在をみんなに伝えられたら」と熱い思いを胸に、2度目の大舞台を見据えている。

▼デフリンピック 聴力損失が一定程度以上の聴覚障害者によるスポーツの国際大会。第1回大会は1924年にフランスで開催された。国際オリンピック委員会(IOC)の承認を受け、2001年から現在の名称になった。競技のスタート音や審判の声による合図を視覚的に分かるよう工夫する以外、五輪と同じルールで運営。次回大会は来年12月にブラジルで開催される。
〔共同〕
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]